今年は当たり年? 妙高市で夏にクマ目撃相次ぐ

クマの出没に注意を呼びかける、ちょっと変わった看板(妙高市杉野沢)
妙高市杉野沢

暑さ厳しい7月から8月にかけて、妙高市でクマの目撃情報が相次いでいる。クマが目撃されるのは冬眠前の秋口が多いはずなのだが、いったいどうしてなのか。

妙高市が火災・災害情報や不審者情報、行方不明者情報などの緊急連絡を電子メールで市民に知らせる「みょうこう安全・安心メール」で、クマ出没に関する注意呼びかけが、7月は6件、8月が9件あった。配信数の合計も既に昨年1年間の18件と並んだ。

8月に配信されたメールの概要は次の通り。 

  • 【3日】午後5時ごろ、関川の妙高高原ゴルフ場入口付近で道路を横断するクマ1頭が目撃された。
  • 【4日】午前10時50分ごろ、関川の妙高高原ゴルフ場入口付近で道路を横断するクマ1頭が目撃される。
  • 【5日】午後5時30分ごろ、池の平の下水道処理場付近でクマ1頭が目撃される。
  • 【6日】午前7時30分ごろ、大谷の市道で道路を横断する体長約1mくらいのクマ1頭が目撃される。また、午後0時5分ごろ、池の平のビジターセンター付近で市道を杉野沢方面へ横断するクマ1頭が目撃される。
  • 【10日】午後3時ごろ、池の平と東赤倉を結ぶ県道を横断するクマ1頭が目撃された。
  • 【11日】午後3時ごろ、赤倉から池の平へ抜ける森林セラピーロード付近で、親子のクマが目撃される。
  • 【21日】午前11時ごろ、関川の妙高高原ゴルフ場東側(7番ホール)付近で、体長70cmの子供のクマ1頭が目撃される。
  • 【24日】正午ごろ、杉野沢の苗名滝に向かう市道で道路を横断するクマ1頭が目撃される。

クマ出没への注意を喚起する看板(妙高市杉野沢)
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暑い夏場に目撃情報が多いことについて、妙高市の環境生活課では、「はっきり分からないが、おそらく山の方にえさがないためだろう。山間部の農地が荒廃し、人間と獣類の棲み分けがうまくいかなくなったことも原因の一つ」という。

また「クマの出没は2年周期で多い年と、少ない年がある。今年は多い年に当たる」という。クマの出没に注意を呼びかける安全メールの回数をみると、2007年は12件、08年は36件、09年は18件で、2年周期で多い年と少ない年が交互になっていることが裏付けられる。

さらに、妙高高原地区は散策などで山に入る人が夏休みを中心に急増するため、目撃する確率が増えていることも考えられる。

同市では、安全メールで注意を喚起するほか、猟友会によるクマの捕獲、クマが出没する場所に看板を建てるなど、事故が起きないようあらゆる方法を尽している。