警告!上越の若者の死 4割が自殺

タレントの上原美優さん(24)の自殺で、若年自殺問題に関心が高まっているが、上越タウンジャーナルの調べで、上越保健所管内(上越市・妙高市)で2003年~2009年の7年間に死亡した若者(10~29歳)の死因のうち、自殺が40.9%を占めていることが分かった。また、全人口の自殺率(10万人あたり)は男女とも全国平均より高いことが分かった。

上越地域振興局がまとめたデータを元に、独自に集計した。

↓10~29歳の自殺者数(上越市・妙高市)
201105jisatusuu

7年間に死亡した若者(10歳~29歳)は男91人、女36人の計127人いるが、このうち自殺が死因なのは男39人、女13人の計52人で、40.9%を占めている。最も自殺が多い年代は上原美優さんと同じ20~24歳で、7年間に亡くなった若者42人(男29人、女13人)のうち、自殺は24人(男16人、女8人)で、半数を超える57%を占めている。

↓10~29歳の自殺率の推移(上越市・妙高市)
201105jisaturitu

また、人口10万人あたりで示す自殺者数を「自殺率」というが、管内の10歳~29歳の自殺率は平均15.98人となっている。男女別では男が23.41で女が8.18と、男の方が約3倍高くなっている。

先進7か国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)の中で、若者の死因のトップが自殺なのは日本だけである。

↓性別・年代別の自殺者の推移(上越市・妙高市)
20110513jisatu_suii

管内の自殺者数を全年代別、性別で見たのが上のグラフ。男女でピークがまったく違っている。男の自殺者のピークは55~59歳で、その後は低下している。一方女性は70~84歳がピークで、85歳を過ぎると男よりも多くなる。

↓男女自殺率の全国との比較
201105jisatuhikaku

次に上越地域の自殺率を全国と比較してみた。男女ともすべて全国レベルを上回っている。

全国での年間の自殺者数は2003~2009年のいずれの年も、3万2000人以上を数える。東日本大震災の死者と行方不明者を加えた数よりも多い人が、毎年自らの命を絶っていることになる。

世界でも自殺率が高い日本にあって、上越はそれを超える高い自殺率であることを、真剣に考えなくてはいけない。