家庭菜園で上越野菜を作ってみませんか?

上越地域で古くから栽培されてきた伝統野菜13品目が、「上越野菜」に認定された。上越市港町1の「ヒラタのタネ」では、このうち「ばなな南瓜」「一口まくわ(せいきちひとくち)」「くびきオクラ(五角オクラ)」を地元で採種し、愛知県の採種場で育種した種を売り出している。種まきは今が最盛期。上越野菜を自宅で育ててみてはいかが?

↓「ヒラタのタネ」が販売している上越野菜の種
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ばなな南瓜(かぼちゃ)

ばなな南瓜は戦後の食糧難の時期にたくさん作られたという。自家採種により栽培が続けられたため次第に雑交配が進み、栽培農家が減って絶滅寸前となっていた。きめ細かな肉質で味がいいが、煮崩れしやすいという。

同社の武田義正専務は「牧区と浦川原区周辺で発祥し、30~40年前に盛んに作られた。カボチャは花粉が遠くまで飛ぶため、交雑が進んでいたが、特徴が良く出ているカボチャを4年かけて選抜し、品種を固定した」と話す。種の発売は2009年から。

なお、栽培しているとたまに青いカボチャが出ることがあるが、青いカボチャの種が岐阜県に行き、現在は「宿儺かぼちゃ(すくなかぼちゃ)」として栽培されているという。
 「ばなな南瓜」の呼称は、細長い形状と黄色い色がバナナに似ているから。人間の胃袋の形にも見えることから、妙高市や長野県信濃町では「胃袋かぼちゃ」とも呼ばれている。

一口まくわ

早生品種で、非常に作りやすく、たくさん収穫できる。一口で食べられるミニサイズで、皮が薄くて甘みが強く、独特の香気がある。

種は柿崎区で栽培されていたものの中から糖度の高いものを選抜して育種し、数十年前に売り出した。

くびきオクラ

見事な五角形で、鮮やかなグリーンが特徴。和え物や油炒めに最適の品種。

1969年に頸城区の吉田祐治氏が輸入種から選抜して新品種を作り上げた。大型の品種で、1970年から市場に出荷し高値で取り引きされたという。15年にわたって独特の地方品種としての地位を保っていたが、小型わい性種が流行したため、栽培されなくなった。

この種も数十年前に売り出している。

高田白瓜

ヒラタのタネではないが、全国に知られる高田白瓜を紹介する。

古くから栽培され、謙信公も食べたとされる、こん棒状の果形が特徴のシロウリ。長さは30cm前後。奈良漬の原料として定評がある。採種地は陀羅尼(北本町3丁目)、中屋敷(高土町)。

全国で栽培されているウリで、高田の名前が付いている。徳島県で奈良漬用に栽培されている「あわみどり」と同じものだという。

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