2010年5月4日、妙高市池の平で艸原祭(そうげんさい)大かやば焼が行われた。妙高山の中腹に「艸」の火文字が浮かび上がり、漆黒の夜空が大輪の花火で照らし出された。ミズバショウが見ごろを迎えた「いもり池」周辺のイベント会場には多くの観光客らが詰め掛け、壮大で幻想的なページェントを見守った。
かやば焼きの起源は、家々の屋根をふくために使われていたカヤの生長を良くするために野焼きをしたもので、この地域ではそれぞれ大字単位でカヤ刈りが行われていた。
しかし、近代建築の普及とともに茅ぶきが行われなくなったが、レルヒ少佐が上越市高田にスキーを伝えてからは、カヤ場は最高のゲレンデとなり、多くのスキーヤーでにぎわった。
池の平のカヤ場は60ヘクタールもの広さがあり、かやぶき屋根がなくなってからは、山火事防止のため、地元消防団で春先に野焼きを続けてきた。
現在は、妙高高原の春を告げる一大イベントとして、5月上旬に行われ、妙高市の早春を告げる一大イベントになっている。
今年はフレンドシップ協定を結んでいる大阪・吹田市の伝統芸能「権六踊り」が披露された。
日没直前、白装束の年男、年女により御神火が山に放たれると、炎の海が広がり、「艸」の火文字が映し出された。そして、色鮮やかな花火が漆黒の夜空をこがした。
今年はエコクラブ妙高による、エコキャンドルロードが初めて行われた。いもり池の周囲の木道に、給食の廃油から作った350個のエコキャンドルがともされ、花火とともに幻想的な一夜を醸し出した。
このほか、初めて上越市と妙高市が合同で行ったうまいもん市(鍋自慢)が企画され、「妙高山かんずり鍋」「日本海浜鍋」「牧の山菜鍋」など5種類の鍋料理が300円の食べ放題で振る舞われた。