滝寺のミズバショウ群生地を探訪しました

上越市滝寺の山あいに、春の使者ミズバショウが白い帆を並べたように咲いている。周囲ではカタクリの紫色の花や、ヤマザクラも見ごろで、春の演出を争っている。

「滝寺のミズバショウ」は、聞いたことはあっても、実際に行ったことのある人は少ないようだ。200~300株もあり、木道も整備されている。小さな子供でも歩ける距離なので、一度は訪ねてみたい。

県道上正善寺高田線を正善寺ダム方向に進むと、飯小学校を過ぎて500mほどの所に三差路があり、大きな案内看板がある。そこを左折し、200mほど農道を進むと、上越市の「こころのふるさと道」の案内がある。車は農道沿いの広い場所に停め、山道に入る。ミズバショウ群生地まで約500m、6分である。

鯉の養殖池を過ぎて、少し急な坂を上ると、沢沿いにミズバショウが見えてくる。清冽な水の流れに沿って群生があり、すぐ近くまで寄って観察することができる。少し前まで雪塊の白だけが彩りだった小さな谷が、木々の新緑、カタクリ、ショウジョウバカマ、ヤマザクラなどで彩られている。その中で、くっきり白と緑を際立たせるミズバショウは「春の使者」にふさわしい。

花のように見えるのは、苞(ほう)で、実は葉の一種。実際の花は小さい黄緑色のもので、花軸に密集している。

「五月の妖精は/木のほとりが好き/遠い山の雪が消えるころ/暗いつめたい山かげに/白いふしぎな家をたてて/ひっそりと/ただ/ならんでいるのです」。これは案内板にある児童文学者、杉みき子さんの詩だ。

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500mも歩けない、という人には最短路もある。案内板のところで車を停めず、さらに滝寺不動方向に向かって200mほど車を進めると、「舟橋入り口」の三差路の看板があり、その少し手前から左側に入る道がある。急な坂を上がり上信越自動車道の高架手前に車を停めると、案内看板がある。そこから群生地までわずか100mである。