東日本大震災の被災地で働く自衛隊に理解を深めてもらおうと、上越市南城町3の陸上自衛隊高田駐屯地で2011年4月19日、市内の避難所で生活する被災者を招いた部隊見学会を開催した。被災者18人が参加して旧日本陸軍時代からの所蔵品を見学したり高機動車に乗車した。
同駐屯地内には第5施設群と第2普通科連隊合わせて約800人の隊員がおり、そのうち約300人が被災地で任務に励んでいる。避難者に被災地での任務を知ってもらうとともに、駐屯地にある歴史的な所蔵品を見学してもらい、少しでも元気づけようと計画した。見学会は、5月6日までに計7回予定されている。
初日の参加者は頸城区のユートピアくびき希望館に避難している福島県南相馬市民で、自衛隊が用意したマイクロバスに乗って駐屯地を訪れた。郷土記念館では、テレビドラマに登場した長岡外史や秋山好古ら高田に滞在した歴代師団長が紹介された。
また被災者は定員10人の人員輸送車用の高機動車に乗車したり、訓練風景などを見学。起床時間や食事時間などに駐屯地内に流れるラッパ演奏を聞いて、隊員と同じ昼食を摂った。
南相馬市原町区の男性(63)は「被災地で活動する自衛隊の皆さんに感謝している。駐屯地がどんな所か見たいと思って参加した。説明を聞いて歴史のある駐屯地と思った」と話していた。