大相撲の立浪部屋に入門した高田農高相撲部３年の小池友弥君（18）が、しこ名「越ノ浪（こしのなみ）」として、３月の春場所（３月14日初日、大阪府立体育会館）で序ノ口デビューする。上越市では唯一の現役力士となる。２月13日に市内で行われる激励会に出席し、早ければ２月20日に大阪入りする。本格的な取組を前に胸をときめかせている。（江口）
身長１メートル82、体重１１９キロと立派な身体の小池君。序ノ口デビューを前にして「どんな取組ができるかが楽しみ。特に不安はない」と目を輝かせた。
高校２、３年の時に国体の選手に選ばれたが補欠登録で出場していない。全国高校総体の出場実績もなく全国的には無名な存在。だが大相撲のスカウトは隠れた才能を見逃さなかった。
昨年５月の金沢で行われた大会。立浪部屋のスカウトがとある取組に勝った小池君に注目。数日後に「良い相撲だった。話をしたい」との連絡が高田農高に入った。入門の誘いを受けた小池君は夏に立浪部屋に出向き幕内の猛虎浪関らと稽古。当初は就職も考えていたが、秋頃に角界入りを決心した。
今年１月５日の新弟子検査は難なく通過。初場所では新弟子らによる前相撲に登場し、両国国技館の土俵に足を踏み入れた。
柿崎小４年の時に相撲に出会った。「柿崎国技会」で競技を始め、柿崎中では柔道部に所属する傍ら相撲を続けた。大相撲は小学５年ごろからテレビで見始め、今では力士の人形など大相撲グッズの収集が趣味という。「自分から相撲を取ったら何が残るのかと思う。それぐらい相撲は好き」。相撲への興味は尽きない。
高田農高相撲部の梅川雅弘監督は「みんなに愛される性格で応援されれば頑張るタイプ。しっかり稽古をしてほしい」とエールを送る。
「越ノ浪」は小学生時代の相撲の恩師が名づけた。「越」は越後や上越を表し、「浪」は日本海や立浪を意識。小池君は「良い響きで気に入っている」と笑顔を見せる。
20日頃には大阪入り。新弟子としてちゃんこ番や兄弟子の世話など取組や稽古以外にも仕事がある。「昨年夏や今年の初めにも部屋に行ったけど、みんな仲が良くて雰囲気もいい」。近いうちに新理事に就任した貴乃花親方が所長を務める相撲教習所にも通うという。
もちろん力士として稽古に精進することも忘れない。「まずは日々の生活に慣れて序ノ口から序二段、三段目と一つずつ、着実にステップを上がりたい」と意気込んでいる。
