新潟県上越市は2021年11月13日、柏崎刈羽原子力発電所からおおむね半径5~30km圏内に含まれる避難準備区域(UPZ)内の住民の避難などの訓練を吉川区で実施した。9日に就任したばかりの中川幹太市長が初めて視察し、同市を訪れた花角英世県知事と名刺交換した。
市立吉川小で安定ヨウ素剤の緊急配布訓練を視察する中川市長(右から2人目)
吉川区で行われた住民避難訓練の視察では、一時集合場所の市立吉川小で、避難してきた住民が放射性ヨウ素による内部被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の緊急配布を受ける様子を視察。中川市長は、町内ごとに分かれて待機する市民に「おはようございます」と声を掛けて回った。
頸城区のユートピアくびき希望館でも、付着した放射性物質を測定器を使って測定するスクリーニングの様子を視察。中川市長は「初めて訓練を拝見し、非常にスムーズに行なわれていた。地震や津波、豪雪などとの複合災害も想定して訓練を積み重ね、応用力をつけなければならない」と話した。東京電力が柏崎刈羽原発を再稼働する際の事前同意については、「UPZの範囲内の市町村の事前了解が必要だと思っている」と述べた。
また海上自衛隊の輸送艦「くにさき」による住民の船舶避難の視察で直江津港に訪れた花角知事を出迎えた。中川市長は「よろしくお願いします」と名刺を交換した後、柏崎市の桜井雅浩市長とともに輸送艦から自衛隊の車両が下船する様子を視察した。