夏本番を迎えた新潟県。車で上越市内を通行していると、上越大通りや山麓線などの幹線道路には真夏というのに今だにスノーポールが設置されたままだ。スノーポールは冬に除雪作業を行う除雪車や通行するドライバーに道路の路肩の位置を知らせる。冬期間のみの設置で、毎年春には撤去されていたのだが……。
冬に除雪車などに路肩の位置を知らせるスノーポール(上越市本城町)
真夏になっても撤去されずそのままになっているスノーポール(上越市大和6の上越妙高駅付近)
例年は4月に撤去
上越大通りや山麓線などの県道を管理する県道路管理課によると、スノーポールは県道に約12万7000本、このうち上越市と妙高市には約2万4000本が毎年設置されている。鉄製で、大きさは直径34mm、長さは山間部などの豪雪地用が3.6m、平野部用は2.7m。目立つように、赤と黄の2色交互に30cmずつ色が塗られている。路肩に沿って設置されている視線誘導標にはめ込むタイプが多い。
県ではこれまで、毎年11月上旬から設置作業を始め、冬期間を経て4月に撤去していた。
コスト縮減でそのままに
とっくに冬は終わっているのに、なぜスノーポールを撤去しないのか。県によると、今年、一部の県道で冬に設置したスノーポールを春になっても撤去せず、そのまま次の冬を迎える通年設置を試行しているという。理由はポールの設置と撤去にかかる経費を節約するコスト縮減のためだ。
設置と撤去で2億8000万円
設置と撤去に伴う経費は、2018年度で2億8000万円。このうち上越市と妙高市では5000万円。本年度、通年設置にしたスノーポールは全体の3割にあたることから、3割程度の経費が削減できる見込みという。
新潟県「危険はない」
コスト縮減は歓迎すべきところ。しかし、1年中設置したままにすることで、長いポールが道路や歩道に傾いたり、台風の強風などで視線誘導標から外れたりして、ドライバーや歩行者に危険がおよぶ心配はないのだろうか。
県道路管理課は「スノーポールはもともと冬の暴風にも耐えられる構造。すでに一部の国道や富山県、新潟市でも通年設置を実施しており、そのような事例は聞いていない。通年設置に伴う道路パトロールも行っている」と話している。
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