2018年2月、新潟県上越市春日野1のアパート居室が燃え、秋山多喜さん(当時70)が死亡した火災で、上越警察署などは4月5日、別件で逮捕されていた上越市東本町3の無職男(43)を現住建造物等放火と殺人などの疑いで再逮捕した。上越署によると男は放火容疑については認めている。殺人などについて同署は認否を明らかにしていない。
発表によると男は今年2月18日午後、秋山さんが居住する春日野1のアパート内に火を放ち、約0.87平方mを焼損させ、秋山さんを一酸化炭素中毒により死亡させた疑い。秋山さんの遺体には目立った外傷はなかったという。同署によると男と秋山さんは知り合いというが、関係性は捜査中。
火災は2月18日午後4時40分頃に発生し、同5時に鎮火した。居室で心肺停止状態の秋山さんが発見され、搬送先の上越市内の病院で死亡が確認された。県警は当初、秋山さんの検死や司法解剖の結果から、明確に事件性を判断するに至らなかったが、現場の状況などから事件性を視野に捜査を継続していた。
同署は男を特定した根拠について、裁判員裁判の対象事件となるため、裁判員に先入観を抱かせる恐れもあるとして「コメントできない」とした。
余罪の有無や犯行の動機は捜査中だが、男は昨年12月24日から27日の間、妙高市の一般住宅に窓を割って侵入し、タンスなどを物色。今年3月16日に住居侵入と窃盗未遂の疑いで逮捕されている。当時は介護職員として働いていたが、3月末に退職しているという。
男は独身で、自宅近くに住む80代の男性は「外で会えばあいさつもしていたし、この冬も母親と二人で雪かきをしていた。介護施設で真面目に勤めていると思っていたので、本当に驚いた」と話していた。
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