職員向けの食物アレルギー研修としてエピペン注射の練習を行っていた上越市立高田西小学校で2017年4月17日、同校教職員が患者役の別の教職員に対し、練習用と間違えて本物のエピペンを注射していたことが4月18日、分かった。同日、上越市教育委員会が発表した。注射を受けた教職員の健康被害などは確認されていない。
市教委によると4月17日午後4時40分頃、同校体育館では食物アレルギー研修が行われていた。エピペン注射の練習は、給食後に児童が食物アレルギーの反応を示し、体育館で倒れた場合を想定して実施。教職員が職員室で保管されている本物のエピペンを持って体育館へと向かい、注射時は練習用のものを使用する予定だったが、誤って本物を使用したという。注射を受けた教職員が誤注射に気付いた。
発覚後、別の職員が119番通報。駆けつけた救急隊員が注射を受けた教職員の健康状態を確認したが、エピペンの副作用として現れることのある動悸や頭痛などの症状は見られなかった。市は引き続き、教職員の健康状態を確認するという。
同校には食物アレルギーを持つ児童がおり、保護者からエピペンを預かって保管していた。市は4月18日までに、児童の保護者とエピペンを処方した医師に謝罪。今後は、薬品管理の徹底と再発防止に努めるとしている。
エピペンとは
エピペンは食物アレルギーなどによりアナフィラキシーの症状が現れた際、その症状を緩和させるための補助治療剤。患者が常備しておき、医療機関に搬送されるまでの応急措置として使用する。太ももの外側に強く押し付けることで針が飛び出し、薬剤が注射される。