新潟県上越市のえちごトキめき鉄道直江津駅で2022年1月から、同社の線路に敷き詰めていた石で焼いた「線路の石焼き芋」の販売が始まった。販売場所は改札口前で、甘い焼き芋の香りが駅自由通路まで漂っている。
販売しているのは、同市内でヘアサロン3店舗を展開する京美容室(同市平成町)の関原英里子社長(61)。同社は新型コロナウイルスの影響でブライダル関連の売り上げが減少したことから、コロナ禍の業態転換や新事業を支援する補助金を活用し、2021年10月から平成町店で焼き芋販売をスタートした。
焼き芋を選んだ理由は、仕事が減ったブライダル関連スタッフが手作りアクセサリーを販売したイベント会場では飲食の方が売れていたことに加え、焼き芋は食物繊維が豊富で同社の「美と健康」のコンセプトともマッチするからだという。
サツマイモは市内の雪室で2〜3週間熟成し甘みが増したものを、専用機器で約1時間かけて焼く。品種は出荷時期や大きさなどで変更しており、現在はねっとり滑らかな舌触りと甘みの強い「シルクスイート」。
これに目を付けたトキ鉄とのコラボ商品が線路の石焼き芋だ。トキ鉄は二本木駅の国登録有形文化財「雪囲い」に覆われた線路の玉砂利を缶詰にして販売し話題となったが、この“線路の石”で焼いている。石は50年以上前の玉砂利で、レールと車両の摩擦で飛び散った鉄がさびて赤茶色になっていて、焼くと黒っぽくなるという。
線路の石焼き芋は主にトキ鉄内だけの販売。包装紙には同社の「直江津D51レールパーク」の“デゴイチ”と観光急行がプリントされた専用シールを貼る。10月から直江津D51レールパークで販売していたが冬季休業となったため、直江津駅での販売を始めた。
「石に鉄分が含まれているせいか、普通の石で焼くよりすごくおいしい。ぜひ食べてみてほしい。」と関原社長。専用シールが鉄道ファンに「レアもの」として人気を呼んでいるという。
小ぶりサイズもあるため、値段は1本100円から。販売日は不定期で、1月は16、27、29日のおおむね午前11時頃から午後1時頃まで。
問い合わせは関原社長(090-5774-3847)。