多発する高齢ドライバーの交通事故を未然に防ごうと、新潟県上越市下吉野の佐野オート商会(佐野裕司社長)は、ドライブレコーダーの無料貸与を始めた。ドライブレコーダーで録画した自身が運転する様子を自らの目で確認し、危険運転などを認識するための取り組みで、佐野社長は「交通事故は起きてからでは遅い。自分の運転を見直す機会として、ぜひ利用してほしい」と呼び掛けている。
高齢ドライバーが加害者となる交通事故が全国的に増加していることや「高齢の親の運転が心配」「大きな事故ではないが、親がバンパーをぶつけてきた」など、主に30〜40代の顧客から高齢の親の運転に対する不安の声が多く寄せられていることなどを受けて、昨年末から同社が独自に取り組んでいる。
上越警察署によると、2016年に管内で発生した交通事故件数は315件で、このうち、65歳以上の高齢者が加害者となる交通事故は66件発生している。
佐野社長は「運転する人にとって免許証の返納は簡単ではない。長年運転している高齢者ほど運転技術の衰えは自覚しにくい。ドライブレコーダーは客観的に自分の運転を見返すこともできるので、ご家族で確認していただくことで、危険運転の気づきや交通事故減少のきっかけになれば」と話している。
無料貸与期間は最大1週間。約15分で取り付けができ、工賃も無料。ドライブレコーダーは数に限りがあるため、利用希望者は事前に予約が必要。映像の再生にはマイクロSDカードを再生できるパソコンが必要だが、ない場合は同社で見ることができる。営業時間は午前9時から午後6時。定休は月曜と第1、3日曜。問い合わせ、予約は佐野オート商会025-520-2030。