新潟県上越市の上越教育大学大学院美術コースの1年生による院生展が2018年12月7日、同市大町5の旧今井染物屋で始まった。江戸時代に建てられた町家の茶の間や縁側、土間などに陶芸や油彩画、彫像など18点が展示され、趣深い町家の雰囲気ともに楽しめる。12月10日まで。
同展は、大学院1年生の初の作品展として、10年以上毎年開かれている。今年は一般の展示施設ではなく、高田に現存する最古の町家の一つとされる旧今井染物屋を初めて会場に選び、大学院での新しい生活の中から作品制作に取り組んだことなど、「初めてづくし」にちなんで「はじめ展」と名付けた。
5人の学生が湯呑みや皿、オブジェなどの陶芸や心象風景を描いた油彩画、版画、繊細な線で描いた線画や点描画などを出展。作品は茶の間や座敷の床の間、小間、土間、染め物の作業場などに展示している。高い天井の吹き抜けの茶の間には漆と土を混ぜ合わせて制作した裸婦などの乾漆像が並ぶ。
来場者は学生が制作した湯呑みの中から好みのものを選び、座敷のこたつで暖まりながらお茶を飲むこともできる。また裏口付近の土蔵の前には、直径25cmの白い円形の厚紙で作った「雪の輪」に、来場者が高田の象徴でもある「雪」からイメージする言葉や絵を書き自由につなげていくという、ワークショップ形式の造形作品もある。
学生の一人、竹本悠大郎さん(23)は「建物を生かしつつ、建物との関係を考えながら作品を展示しています。作品に触って親しみを持って見てもらえたら」と話している。
時間は午前10時〜午後5時まで。最終日の12月10日は正午まで。12月8日午後2時からはギャラリートークが開かれる。入場無料。駐車場あり。