「32年間ご愛顧に感謝」イトーヨーカドー直江津店で閉店セール始まる

2019年5月12日に閉店する新潟県上越市西本町3のイトーヨーカドー直江津店の閉店セールが3月27日、始まった。店舗入り口には「32年間のご愛顧ありがとうございました」という張り紙が掲示され、午前10時の開店前には、先着300人限定の「紅白饅頭」を求める客の行列ができた。閉店セールは最終営業日まで行われる。

閉店セール初日には大勢の客が来店 ヨーカドー閉店食品売り場

カウントダウンやメッセージコーナーも

初日は午前8時30分ごろから「紅白饅頭」を求める客が並び、開店と同時に、初日限定の特売品を求める客が大勢来店。駐車場も混雑した。

店内には「最終営業日まであと47日」と書いたカウントダウンボードや「閉店売りつくし」などの垂れ幕が飾られ、生鮮食品や衣料品、家電などを1〜5割引で販売。32年前のオープン時などの写真も飾られ、客が同店へのメッセージを記入するコーナーも開設された。同店は「32年、雨の日も風の日も雪の日もいつもご利用いただきありがとうございました」と感謝の言葉を掲示している。

32年前のオープン時の写真などが飾られた「あの日の思い出」コーナー ヨーカドー閉店パネル

カウントダウンボードやメッセージコーナーも設置 ヨーカドー閉店メッセージコーナー

買い物に来た西本町2の70代の主婦は「自宅は目と鼻の先で、オープンした時から2日に1回は来ている。魚や野菜も新鮮で、ヨーカドーが大好きだから閉店は困るし、本当に残念。店が終わるまで、買い物に来ます」と話していた。

同店によると、第1弾の閉店セールは4月2日まで。その後5月12日の閉店まで切れ目なく7弾のセールを実施するという。

専門店街エルマールは通常営業

一方、イトーヨーカドーの閉店後も継続して営業する地元商店など53店が入る専門店街「エルマール」は通常通りの営業。テナントの店主らは閉店セールのにぎわいを横目に「前から決まっていたことだから」と口々に話した。撤退後の核テナントについては「やっぱり、毎日(客が)買い物に来る食品スーパーを誘致してほしい」との声。ある店主は誘致状況について「決まっていないからだろうけど、我々は報道で知るだけで、全く情報がない」と漏らしていた。

後継テナント誘致へ交渉

イトーヨーカドー直江津店は、直江津ショッピングセンターのキーテナントとして1987年6月にオープン。土地と建物は頸城自動車の所有で、ヨーカドーが売り場面積の半分以上の約7000平方mを占めている。頸城自動車が後継テナントの誘致に向けて複数の会社と交渉を進めており、これまで食品スーパーの「良食生活館」や「ピアレマート」を展開するスポット(長岡市)などが取り沙汰されているが、「現時点で決まったことはない」(同社)という。

村山秀幸上越市長は3月27日の記者会見で、同社による後継テナント誘致について「ある程度最終的なところに来ていると思っている」とした上で「市民に関わることなので、関係者と連絡を取りながら、追々明らかになる結論をしっかり受け止めて、市ができること、市に求められることにしっかりと向き合って検討していきたい」と話した。

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