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直江津の老舗「石田彌菓子店」が閉店 116年の歴史に幕

6日前

新潟県上越市中央1にある老舗菓子店「石田彌菓子店」が店を閉めることにした。明治36年に創業し、地元を中心に多くの人から愛されてきた店だったが、店主の年齢や菓子製造機械の老朽化などから、116年の歴史に幕を下ろす。

4代目店主の石田昭子さん
石田屋菓子店2

「どうにかここまでやってくることができました。皆さんのおかげ。感謝しかないですよ」と話すのは4代目店主の石田昭子さん(77)。笹団子や水ようかん、注文が入ってから焼く「正油だんご」など多彩な和菓子をはじめ、マドレーヌやレモンケーキといった洋菓子も並ぶ店。現在は石田さんと長男が2人で店を切り盛りする。

創業者は石田彌太郎氏。当初出店した場所で営業した後、3年後に現在の場所で出店したという。石田さんは彌太郎氏の孫に当たる3代目、勇さんのもとへ1964年に嫁いだ。勇さんは、東京でパン製造にも携わった経験を持ち、そのつながりで東京で菓子職人から焼き菓子などの洋菓子を学んだことから、店頭に洋菓子も並ぶように。一時はクリスマスケーキも製造していた。自慢のマドレーヌは、後に店の人気商品にもなった。

マドレーヌは店の人気商品の一つ
石田彌菓子店3

「当時は朝から晩まで働いた。旅の人が大勢(店で)みやげを買ってくれたり、忙しかったですよ」と石田さん。一昔前は結婚式の引き菓子などの注文も多かったほか、近隣小学校や幼稚園などの文化祭で販売する大口の菓子製造もこなしてきた。健康志向で、砂糖の量を減らした甘さ控えめの菓子が喜ばれるようになった時も、おいしさを損なわずに時代の流れに沿った菓子を作ってきた。

店に並ぶ和菓子の数々
石田彌菓子店4

2008年、勇さんが病気で亡くなった。68歳だった。石田さんと長男は勇さん亡き後も菓子の注文に追われたといい、石田さんは「不安でいっぱいでしたが、とにかくやるしかなかった。お客さんからの『大丈夫かね』『がんばってくんない』」の声に励まされたんです」。夫が残した味を受け継ぐために、菓子を何度も作り、試行錯誤。「(長男と)2人でどうにかここまできましたね」とほほ笑んだ。

直江津駅前通りに店を構える石田彌菓子店
石田彌菓子店5

閉店は2020年1月末を予定しているが、賞味期限の長い焼き菓子を売り切るまでは店を開く予定。団子や水ようかんなど、朝作ったものをその日のうちに食べきる「朝生菓子」の販売は今月22日頃までの予定。石田さんは「長い間、皆さんからかわいがってもらい、感謝いたします。心から感謝しながら、最後まで頑張ります」と話している。

不定休。営業は午前8時から午後6時まで。

石田彌菓子店