日本一のペンギン 他県に一時 “お引っ越し” 来春の新水族博物館完成まで

新潟県上越市西本町4の市立水族博物館は、来春オープン予定の新水族博物館が完成するまでの間、館内の生き物を他の施設に預けるための “引っ越し” 作業を進めている。2017年6月8日までには、飼育数日本一を誇る126羽のマゼランペンギンの搬出作業が完了。約400km離れた「横浜・八景島シーパラダイス」など2施設へ運ばれた。

トラックに積み込まれるマゼランペンギン
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同館は5月14日に旧施設での営業を終了した。隣接地で建設中の新施設がオープンするまでは「休館」としており、7月を目途に旧施設を取り壊すことから、館内の生き物の搬出作業を進めている。

マゼランペンギンの搬出は6月1日から始まり、同日中に44羽が伊豆・三津シーパラダイス(静岡県)に送られた。6月8日には残り82羽を「横浜・八景島シーパラダイス」へと運ぶ作業が行われた。

飼育員らはこの日、マゼランペンギンを2羽ずつケージに入れ、トラックの荷台へと運び入れていった。横浜市までの移動時間は約6時間。移動中は飼育員1人が付き添い、休憩地点ではペンギンの体に水をかけるなどして体温を調整したという。

この日の天気は雨。飼育員によると、雨で気温が低い日の長距離移動は、ペンギンたちへの負荷を最小限で抑えられるという。同館で飼育されていた生き物の一部は、そのまま預け先の施設に寄贈される予定だが、マゼランペンギンは同館に戻ってくる予定。

ゴマフアザラシはケージに入れてクレーンで吊り上げた
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この日は2頭のゴマフアザラシ「ジロー」と「ケンタ」もケージに入れてクレーンで持ち上げ、ペンギンと一緒に横浜へと運んだ。特に34歳のジローは人間で例えると90歳と高齢だが、同館は「2頭とも元気に戻ってきてほしい」と話す。

マゼランペンギンとゴマフアザラシを積んで横浜へと出発するトラック
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広報担当の村上真衣さんは「一時的とはいえ、マゼランペンギンたちがいなくなるので少し寂しくなるが、新施設のオープンを楽しみにしていただけたら」と話していた。

同館によると、生き物の搬出作業は約8割が完了しており、今月中旬までに終了する予定。

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