肖像画は家康ではなく「秀忠」だった! 上越市立歴史博物館企画展で展示中

新潟県上越市本城町の市立歴史博物館で、開館1周年を記念した企画展「上越の寺社と徳川の城・高田」が2019年7月20日から開かれている。江戸幕府2代将軍徳川秀忠の肖像画や徳川家の家紋「葵紋」入りの調度品など、市内の寺社に伝わる徳川ゆかりの品々を展示している。

初代高田藩主となった徳川家康の六男松平忠輝をはじめ、徳川一門だった江戸時代前期の歴代藩主が市内の寺や神社に寄進した道具類や古文書を集めた。大半が通常未公開。

注目は同市寺町2の天崇寺所蔵の秀忠の肖像画。同館によると、巻紙に「東照宮 家光公より賜」と書かれてあるため、これまで家康を描いたものとされていた。2014年の高田開府400年の特別展でも家康として展示したが、その後肖像画の比較研究が進み、徳川記念財団所蔵の秀忠を描いたものと顔かたちが酷似することから「秀忠」であることが明らかになった。家康に比べ秀忠の肖像画は全国的に数が少なく、貴重なものという。

「家康」ではなく「秀忠」と判明した肖像画
秀忠肖像画

このほか歯を見せて笑う表情が珍しい東照大権現(家康)坐像や県文化財の3代藩主忠昌が寄進した太刀、家康が6歳の時に描いたと伝わる「三河万歳図」、高田姫こと秀忠の三女勝所用の葵紋入りの湯桶や飯びつ、高蒔絵の櫛など、10の寺社が所有する35点の史料を展示している。

開館時間は午前9時〜午後5時。観覧料は一般500円、小中高生250円で、上越市内の学校に通う小中学生は無料。8月25日までは無休で、以後月曜(祝日の場合は翌日)休館。展示期間は10月20日まで。

上越市立歴史博物館 https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/museum/

上越市立歴史博物館