98.8円の看板出現! 上越市でもガソリン価格が2けたに

原油価格の低下に伴い、新潟県上越市内のガソリンスタンドで2016年1月31日、レギュラーガソリン1リットル当たり100円を割る「98.8円」の店頭表示が出た。現在のガソリン価格の全国平均は108円で、新潟市では96円のスタンドも出ている。

「98.8円」の表示が出た加賀サービスステーション(上越市加賀町)
ガソリンスタンドS

プリペイドカード価格だが、2けたの「98.8円」の表示を出したのは、上越市加賀町の山麓線沿いにあるゼネラルオートのセルフスタンド「加賀サービスステーション」。現金価格は100.8円。

菊池和彦店長によると、2けた価格のインパクトはあっても、それほど売上に結びつかないという。「ガソリンは近場の安い店で入れる傾向がある。長距離の人は別だが、1円や2円の差では、わざわざ遠くからガソリンを使って来ない」と話す。

なお、100円を上回る表示価格であっても、会員は現金価格から割り引きがあり、実質で2けた価格のガソリンスタンドは他にもある。

上越地区でのガソリン安値競争は1994年(平成6年)8月に山形から進出してきたコマレオが発端。96年3月20日のジャスコ上越店のオープンに合わせたセールで出した1リットル88円という価格が、平成に入ってから上越地域での最安値。その後、大手系列店が相次いで進出し、規模が小さな小売店が淘汰、再編されていった。

1999年頃からガソリン価格が徐々に上がり始め、同年10月11日には、上越市下源入に上越地方では初、県内で3か所目のセルフサービス方式によるガソリンスタンド、ビックリペトロ直江津店がオープン。以後は少しでも安いガソリンを求めて次第にセルフ方式が広がっていった。そして、2008年9月に発生したリーマンショックにより、原油価格が急騰し、末端価格は一時180円台まで跳ね上がっていた。

現在のガソリン価格低下は、世界の原油シェアを巡り米国のシェールオイルと中東産油国が対抗していることや、中国の景気低迷により供給が過剰になっていることなどが背景にあるとされる。