高田高校が「式服」導入を断念 生徒や保護者の意見を尊重

新潟県立高田高等学校(小野島惠次校長)は2017年3月28日までに、式典などで着用する生徒用の「式服」の導入を断念した。小野島校長が上越タウンジャーナルの取材に対して明らかにした。

新潟県立高田高等学校
20170209-DSC_0146

高田高校は近年、2年生の企業訪問時には生徒にスーツを着用するよう事実上義務付けている。小野島校長は「スーツは金銭的負担が大きい。高校生らしい姿でもない」として、共通の上着のジャケットを導入することを検討していた。生徒やOBらからは「そのまま制服になってしまう恐れがある」として、反対の声も上がっていた。

生徒らの声を受け同校は3月6日、企業訪問時に希望する服装について、2年生までの全生徒とその保護者にアンケート用紙を配布。「スーツ」「自由なジャケット」「共通のジャケット」という3つの選択肢を用意し8日後に回収したところ、生徒の70%と保護者の58%から「スーツ」という回答が得られた。小野島校長は「生徒と保護者の意見を尊重する」として、2017年度以降の企業訪問では現状通りスーツを使用することを決定し3月24日、生徒と保護者に文書で通達した。

小野島校長は「企業訪問での服装をスーツとした上で式服のジャケットを導入すると、保護者の金銭的負担が大きい」として、式服のジャケットを導入しないことも決定。3月28日には、ジャケットのサンプルを提出していた制服業者に、導入を取りやめることを連絡した。

卒業式など式典時の服装に関しては「華美になりすぎないよう、節度のある服装を求める」として、服装に一定の基準を設けたり、スーツの着用などを呼び掛ける方針。

決定を受け、1年生の女子生徒(16)は「式服のジャケットではなく、スーツのままで良いと思っていたので納得している」。別の1年女子生徒(16)は「学校が生徒を置き去りにして検討を進めている印象を受けたので、生徒の意見を聞いてもらえたのは良かった」と話していた。

関連記事