任期満了に伴う上越市長選(10月31日投開票)で2021年10月8日、立候補を表明している新人で元市議の中川幹太氏(46)と元市長で市議の宮越馨氏(80)が共同で記者会見を開いた=写真=。立候補を模索してきた宮越氏が不出馬と中川氏支援を表明し、両者で政策協定を締結したと発表した。
宮越氏は出馬断念
宮越氏は出馬の準備を進めてきたが、家族の理解が得られなかったことや年齢などを理由に断念。一方、人口減少対策など包括的な政策提言を続けてきたことから、政策実現のため、中川氏に協定締結を持ち掛け、合意に至ったと説明した。
宮越氏は、中川氏について「人間性、政策実行力など、この方なら託してもいいと思った」と評価し、「若い政治家を育てながら、力強い上越市の発展のために歩いて行ける態勢を取るために全力を傾注していきたい」と話した。宮越氏は昨年4月の市議選でトップ当選しており、今後は自身の支持者らに中川氏支援を呼び掛けるとしている。
政策協定
協定は、宮越氏が示した政策のうち、地域分権など方向性の合うものを中川氏が取り入れ、宮越氏は中川氏の当選に向けて支援する。また、当選後の政策実現については「宮越馨のノウハウを生かせる態勢をとる」と明記している。
「納得した部分で」
中川氏は「宮越さんからダイナミックな政治手法、財源の獲得手腕などを学びながら進んでいきたいと思い、政策協定に合意した」と話した。また、当選後の宮越氏の処遇については「権力のある立場には就任させない」としたほか、提示されている政策については「わたしが納得した部分でしかやらない」と強調した。
新人2人の一騎打ちに
同市長選には新人で元副市長の野澤朗氏(64)が立候補を表明しており、中川氏との一騎打ちとなる公算が大きい。