上越市が新年度予算発表 前年度より1割減 1000億円下回る

新潟県上越市は2018年2月20日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は965億4337万円で、前年度当初より111億1769万円減(10.3%減)となった。2005年の合併後、同市の当初予算が1000億円を下回ったのは今回が初めて。昨年10月の市長選での公約を中心として子育て支援の取り組みなどに重点を置いた。

記者会見で予算案を発表する村山市長
新年度予算発表

予算規模の縮小は、新クリーンセンターやオーレンプラザ、有田小学校などの大規模な建設事業が本年度で終わったことで、普通建設事業費が大きく減少したことが要因。新年度の普通建設事業費は86億6000万円で、前年から119億8000万円減少(58.0%減少)した。また「第2次財政計画」では貯金にあたる財政調整基金を毎年取り崩す予定だが、今回は計画で予定していた額を1億7544万円下回る17億2056万円を財政調整基金から繰り入れている。

第6次総合計画の「暮らし」「産業」「交流」の3つの重点戦略を軸に、地方創生の取組み、昨年の選挙での公約に掲げた子育て支援に重点を置いている。

子育ての分野の具体的な施策としては、小学校就学前の子どもの医療費を無料化するほか、年収約470万円未満の世帯の第2子の保育料を軽減し、第1子の年齢にかかわらずひとり親世帯は無料、その他の世帯は半額にする。

このほか、高田世界館周辺での交流広場整備(2271万円)や、市内在住の外国人に市内の観光地を巡りながら魅力をSNSで発信してもらい効果を検証する誘客促進調査事業(64万円)、民間事業者のクレジットカード利用端末機の導入支援(362万円)、新水族博物館「うみがたり」のオープンにあわせた地元商店街などの記念事業への支援拡充(361万円)、新上越斎場の建設に向けた基本構想の策定(793万円)に取り組む。また、障害者が地域住民と農作業を行うモデル事業(100万円)や、農業分野では中山間地の休耕農地で新たに作物を栽培する集落を支援する補助金(600万円)を創設する。

村山秀幸市長は「人口減少や所得格差のある中で、子育てをするのが非常に大変だろうという思いが強く、医療費の無料化や保育料の軽減などで子育てしやすい環境をさらに充実していきたい」と述べた。

新年度予算案は3月1日から始まる市議会3月定例会で審議される。