新潟県上越市の指定ごみ袋に破れやすい不具合があった問題で上越市議会は2016年12月13日、厚生常任委員協議会を開き、市から経緯の報告を受けた。不具合のあった袋は約84万枚に上り、市が7月に問題を認識していたにもかわらず公表しなかったことから、議員からは「市民を欺いた」など厳しい声とともに、交換の対応についても改めるよう求める意見が相次いだ。
欠陥袋は84万枚
市によると、今年3〜5月に製造された「燃やせるごみ」と「生ごみ」用の袋の約3割で、原材料を変更した結果強度が足りず、破れやすい欠陥が出た。欠陥のあるごみ袋は約84万枚に上り、このうち約40万枚は店頭から回収したが、44万枚は市場に出回り、市民が購入した。市では苦情を申し出た人だけに交換対応を行い、先週、上越タウンジャーナルなどが報道するまで公表していなかった。
「善良な市民欺いた」
この日の委員協議会では、元警察署長で同市の危機管理監も務めた橋本洋一議員が「すぐに公表するのが普通だ。組織として危機管理の最初の対応が間違っている」と指摘。このほか「市に誠意がないということに尽きる」(宮川大樹議員)、「4か月間も不良品を売っていたというのは考えられない」(牧田正樹議員)、「謙虚さ、真面目さが欠けている」(宮﨑政国副議長)、「市の対応は善良な市民を欺くことなった」(内山米六議長)など厳しい声が相次いだ。
広報上越には「おわび」なし
今回の不具合について市は、広報上越12月15日号に経緯と交換などの対応を掲載するが、その文面にはおわびや謝罪の言葉はない。これについても議員から厳しい批判があった。
「袋なしでも交換を」
また、欠陥のある袋について、現物がなければ交換しないという現在の市の対応について、「買い置きした袋がなくても交換するべきだ」「全世帯に袋を配るべきだ」と求める意見も相次いだ。
副市長が陳謝 交換対応検討
土橋均副市長は「市民にご迷惑をおかけしおわび申し上げる」と陳謝した上で、袋の交換の対応などについて「あらためて検討したい」と述べた。
厚生常任委員協議会の録画はこちら(Ustream)。
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