大雪を受けて上越市と妙高市は2021年1月9日、それぞれ災害対策本部を設置し、第1回会議を開いた。
上越市 一斉雪下ろし今後検討
上越市の9日午前9時時点の積雪は、高田特別地域気象観測所の190cmを含む合併前上越市で平均200cm、安塚区で同308cm、浦川原区で同221cmに達し、県の災害救助条例の適用基準を超えた。条例が適用されると一人暮らしの高齢者など要援護世帯の除雪費用の半分を県が負担することになる。
このほかの区の積雪は、大島区で311cm、清里区で259cmと条例適用基準に迫っている。
市は9日から、高田地区を中心とした複数の地点で屋根雪の重さなどの観測を始めた。今後、雪の重さや降雪の推移を見ながら、一斉雪下ろし(一斉排雪)を検討する。
本部長の村山秀幸市長は「なかなか除雪が行き届かず申し訳ないが、一生懸命に取り組んでいることをご理解いただきたい。市民の皆様には不要不急の車での外出は控えてほしい」と呼び掛けた。
妙高市 新井地区中心に大量降雪
妙高市は新井地区で積雪が設置基準の2mを超えたことから豪雪対策本部を設置した。
市によると、3日と9日に新井地区を中心に大量の降雪があり、新井消防署の9日午前9時の積雪は210cm。積雪が2mを超えるのは、2012年2月以来9年ぶりだという。9日の妙高地区の積雪は166cm、妙高高原地区は185cmで、いずれも新井地区より少ない。
会議では、災害救助法の適用の目安235cm、県災害救助条例の適用の目安226cmが迫っていることから、雪下ろしの対象となる要援護世帯の事前把握などの対応を確認した。
市道では、雪壁で幅員が狭くなった5路線の排雪作業を5~7日に完了しており、雪で通行に支障が出ている箇所はない。
今冬の雪による事故は11件発生したことが報告された。このうち雪下ろしによるものが死亡事故を含め7件、除雪機によるものが3件、落雪1件となっている。
本部長の入村明市長は「絶対に道路を止めないことを念頭に、一歩、二歩先の対応をしてほしい。まだ1月初めだが、苦しいときはみんなで支え合うことを基本に、ぶれないで対応してほしい」と指示した。