上越市の五智国分寺付近にクマ出没 住宅街騒然

新潟県上越市五智の住宅街で2021年5月14日、クマが出没した。目撃情報が寄せられた上越警察署や市が午前7時頃から猟友会とともに警戒し、午後2時半頃に五智5の水路に逃げ込んだクマ1頭を麻酔銃で撃ち、午後7時頃に捕獲した。

五智5の畑を走るクマ(2021年5月14日正午過ぎ)
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市や警察などによると、午前6時45分頃、五智3の五智保育園付近でクマを見たとの情報が近隣住民らから同園に寄せられた。午前7時過ぎから市や警察、地元猟友会がパトロールしていたところ、同10時頃に同園に隣接する五智国分寺で、体長約1mのクマ1頭が茂みに走り去るのを市職員らが目撃。麻酔銃の手配を進めるとともに茂みを見張っていると、正午頃に同寺から西方向に約150mの畑にクマが姿を現し、畑の脇に通る水路に逃げ込んだ。

水路の出口を盾などでふさぎ、爆竹で音を出すなどしてクマを一方に追い込み、午後2時半頃に麻酔銃で撃った。猟友会によると、麻酔の効きや撃ちどころが悪かったため捕獲に時間がかかり、午後7時頃に水路からクマを引き上げ捕獲した。

クマが逃げ込んだ水路
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水路の中をのぞく猟友会ら
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ドラム式のクマ捕獲器で水路からクマを引き上げた
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捕獲前の午後2時頃から畑付近の住民には外に出ないよう警察が注意を呼び掛け、県道付近は歩行者の通行を制限した。

五智保育園の高橋俊成園長(48)は、保護者に緊急メールでクマの出没を知らせ、登園時は警察とともに職員らも警戒に当たった。「クマが保育園の近くに出たことは自分が生まれてから一度もない。子や保護者の安全が一番」と話した。五智5に住む男性(80)は「タヌキはよく通るがクマは出たことがないのでびっくり。何もなくてよかった」と安堵していた。

麻酔銃を撃った位置