JAのレストランと加工直売施設が着工 雪下野菜目玉に来年7月OPENへ

JAえちご上越直営の地産地消複合直売施設が2015年10月19日、新潟県上越市大道福田の「旬菜交流館あるるん畑」近隣に着工した。地場農畜産物を利用したパンや菓子、惣菜、ジェラート、ハムなどを製造して直売するほか、レストラン内で一般に提供する。施設は来年4月に完成し、職員研修などを経て7月以降にオープンする予定。

工事の完工や安全を祈って鍬入れなどの神事が行われた
くわ入れ

あるるん畑が開店して9年が経過し、昨年度は6億3000万円の売上を計上するなど、地産地消の拠点として順調に推移している。新施設は、6次産業化の推進、農業所得の向上などを目的に、あるるん畑から約500m南の近隣に建設し、相乗効果を狙う。建設費は4億8000万円、土地購入費は4億5000万円の総額約9億3000万円で、一部は「農林水産業みらい基金」の助成を受ける。

敷地面積は約1万2260平方m、施設は鉄骨造り(一部木造)平屋建てで、延べ床面積は1280平方m。施設では米粉パン、菓子、惣菜や弁当、ジェラト―やジュース、精肉、ハムやソーセージなどを加工製造し、直売するほか、フードコートで食べることができる。室内80席、屋外テラス40席の大型レストランでは、地場野菜や加工品を使った料理を提供する。敷地内には観光バスも駐車できる110台分の駐車場と、野菜作りが体験できる農園も設置する。

現地で行われた安全祈願祭にはJA役員や地元関係者、施工業者、来賓など25人が参列した。くわ入れや玉ぐし奉てんなど、一連の神事を行い、工事の完工と安全を祈った。JAえちご上越経営管理委員会の青木克明会長は「冬場の野菜確保が課題だったが、白菜や大根、ネギなどの雪下野菜に取り組むことで、加工や直売を含め、無駄なく農畜産物を維持できる」と新施設に期待していた。

施設はパートを含め約70人の雇用を予定している。12月には職員の募集や、施設名の公募も行う予定。オープン5年後には、年売上3億円を目指している。

建設場所