新潟県上越市の市立水族博物館に新しい仲間がやってきた。危険なサメとして知られている「アカシュモクザメ」のごく若い個体2尾。同館の呼び物の一つ、大水槽「マリンジャンボ」で展示されている=動画=。
シュモクザメ科に属し、英名でハンマーヘッド、和名でも木づち(撞木;しゅもく)に例えられる頭部が最大の特徴。左右離れた部分に目と鼻があり、鋭い感覚を生かし魚や砂中の獲物を捕る。気性が荒いサメとして知られ、人を襲うこともある。
同館の仲間入りをした2尾は体長約90cm。鹿児島県で採集され、横浜・八景島シーパラダイスを経由した後、11月3日夜に搬入され、マリンジャンボに放たれた。慣れない環境の下、混乱して水槽の壁に目を衝突させてしまう恐れもあったため、担当スタッフを中心に注意深く見守ってきた。
大水槽の内には大型のタマカイやサラサハタをはじめ、同館で25年も生き続ける古参もいる。当初、見慣れない新参者を付け回したり、2尾も落ち着かず他の魚から逃げる行動が見られた。担当スタッフは「水槽の中には魚たちの社会がちゃんと作られていること、そこでシュモクザメたちが受け入れられていく様子に驚きました」と語る。
ごく若いため、性別はまだ判明していない。順調に生育すれば、2メートル近くまで大きくなる見通し。活動量の多いサメならではの引き締まったボディと鮫肌のメタリックな輝きが魅力だ。
餌づけショーは午前11時と午後2時45分。