ヒマワリオイルが完成 福祉施設が完全自前で取り組んだ新製品

新潟県上越市諏訪地区一帯などで栽培するヒマワリの種を使った食用の「ヒマワリオイル」がこのほど完成した。今春運用が始まった同市南新保の搾油施設「つくしひまわりステーション」で製造し、北新保の障害福祉サービス事業所「つくし工房」の利用者たちが就労支援の一環で製造に携わった。昨年度に立ち上げたブランド「ひまわり日和」の商品の一つとして、同工房ほか、市内各所で順次販売が始まっている。

販売がスタートした「ヒマワリオイル」
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2010年、「和・道」医療福祉グループが諏訪地区の休耕地で観賞用ヒマワリの栽培を開始。2014年にヒマワリを観賞用品種から、食用の「春りん蔵」へ変更し、ヒマワリオイルの搾油に乗り出した。これまで搾油は長野県の施設へ委託してきたが、2020年2月、農山漁村振興交付金を活用した新たな施設「つくしひまわりステーション」が完成。焙煎ばいせん機、搾油機、ろ過機を導入し、完成までの作業を職員、利用者で実施した。今回完成したヒマワリオイルは完全自前で取り組んだ初製品となった。

搾油施設「つくしひまわりステーション」
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製造では、利用者らはヒマワリの栽培、種の選別や焙煎作業、瓶のラベル貼りなどに取り組んできたという。昨年栽培したヒマワリから採取した種450kgを使用したが、搾油率は約25%とわずかで、完成したオイルは約110kgだった。

黄金色のヒマワリオイルはオレイン酸とビタミンEが豊富で、炒めものやドレッシング感覚で利用するリピーターも多いという。上越つくしの里医療福祉協会の田邉信統括施設長(50)は「いろいろな方たちから関わっていただいた。ヒマワリオイルを大勢の方から手にとっていただき、上越の特産品になれば」と期待を寄せている。95g1000円、180g2000円。問い合わせはつくし工房025-520-3294

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