うるち米の粉を使った細工縁起菓子「ちんころ」作りが、上越市吉川区原之町の「小浜屋菓子店」で行われている。えとなどをかたどった小正月の縁起物として長い間親しまれており、その年の豊作や家内安全、安産などを願って多くの人が買い求めている。

同店は創業約130年の老舗。同区でちんころを作る唯一の菓子店だ。かつてはちんころ作りが盛んに行われ、昭和30年代までは区内でも「節季市」も開かれていたが、時代とともに姿を消した。同店も一度はやめたものの、特産品の復活を目的に昭和60年代に再開。現在の店主、4代目の中村崇さん(65)は菓子作りの修行を終えて家業を継ぐため地元に戻り、ちんころ作りは2代目の祖母から学んだ。例年、年末になるとちんころ販売の問い合わせも増え、毎年楽しみに待つ購入者も多い。

ちんころは上新粉に湯を加えてこね、食紅で色付け指先を器用に使いながら高さ約3、4cmの形に仕上げてから蒸して完成させる。今年は、えとの「午」をはじめ、犬、ウサギ、鳥、さるぼぼの5種類を中村さんと母のカズさん(90)で作る。「午」は最も時間が必要で、1個仕上げるのに約5分はかかる。すべて手作業で行っており、大量生産はできないため、製造は1日30セットが限界だ。
購入後は自宅玄関や神棚など、思い思いの場所に飾る。乾燥してひびが入るが、中村さんによると「ひび割れが多いほど豊作や幸福になると言い伝えられている」という。
同店のちんころは現在も地域との関わりも深く、地元の吉川小学校では毎年、親子活動の一環でちんころ作りを行う。中村さんが講師を務め、伝統文化の継承も続ける。

中村さんは「店は自分の代で終わるが、作れる限りは作り続けたい。飾って楽しみながら、1年を無事に過ごしてもらえたら」と話している。ちんころは5個セット1500円。販売は20日頃までで、購入は予約する。営業時間は午前8時〜午後6時。問い合わせ、予約は同店025‐548‐2020。