新潟県上越市大手町の食料品店「いまいストアー」が2025年9月20日、閉店する。人々の暮らしに寄り添った76年間に終止符を打つ。

今井食料品店の今井恒雄社長(81)は閉店理由を「体力の限界」と語る。5、6年前から閉店を考えてはいたが、同店は車を持たない高齢客の利用が多く、決断ができなかった。それでも自身の体力や売り上げの伸び悩みなどもあり、「大変申し訳ない気持ちだがもう限界かな」と胸の内を明かした。3月に閉店を決断し、8月中旬から取引先に伝え、新聞折り込み広告でも告知した。

1949年、先代の父親が現店舗裏に「今井商店」を開店。母親と共に切り盛りし、後に有限会社を設立した。今井社長は高田商業高校卒業後、入社し、22歳の若さで会社を継いだ。
青果や酒などを扱い、昭和40年代には客が自ら買い物カゴに入れ、最後に代金を払うセルフ方式を導入。肉、魚はテナントが販売した。最もにぎわったのは店舗の東隣りに県立中央病院があった頃。見舞い用の果物が売れ、仕事帰りの職員たちが利用するなど、店は活気にあふれていた。1997年に同病院が現在地に移転すると客足が遠のき、当時を「人が通らなくなった」と今井社長。それでも翌年には同病院近くに姉妹店となる子安店をオープンした。
近隣に大型スーパーが出店した時には「もうだめだと思った」と振り返る。しかし、常連客も取引先も離れなかった。「フルーツのいまい」の名でも親しまれ、旬の果物の地方発送などでも欠かせない存在だった。

常連からは「寂しくなる」「やめないでほしい」と閉店を惜しむ声が相次いでいる。今井社長は「皆様のお陰でやってこれた。長い間のご愛顧に感謝している」と語った。
閉店前には売りつくしセールを行う予定。子安店は店内改装後、別の形で営業を継続するという。