スキージャンプ・ソチ五輪銅メダリストの清水礼留飛選手が地元妙高市で引退報告

ノルディックスキー・ジャンプ男子のソチ冬季五輪団体銅メダリストで、今季現役を引退した清水礼留飛選手(30、雪印メグミルク)が2024年3月22日、地元の新潟県妙高市に帰郷し、城戸陽二市長に引退を報告した。晴れ晴れとした表情で競技人生を振り返り、「妙高市で育ったからここまで成長できた」と感謝の思いを述べた。

妙高市役所で引退報告し地元への感謝を述べる清水選手

スキー複合の国体選手だった父、久之さん(63)の影響で小学校1年生から競技を始めた。妙高高原中学校、新井高校では複合選手としても活躍し、2012年に雪印メグミルクに入社してからはジャンプに専念した。2014年のソチ五輪ではチーム最年少で1番手を務め、メダル獲得に貢献。上越地域出身選手として夏冬通じて初の五輪メダリストとなり、県民栄誉賞、市スポーツ特別栄誉賞が贈られた。

五輪後には世界と渡り合うため、ジャンプスタイルを変えるも上手くはまらず、苦戦が続いていた。3月5日に引退を表明し、現役最後の大会となる16日の伊藤杯大倉山ナイタージャンプ大会(札幌市)を2位で締めくくった。

元複合選手で幼なじみの市職員、曽根原郷さんから花束を受け取った

この日は雪印メグミルクスキー部のチームウェアを着て、久之さんと共に妙高市役所を訪れた。横断幕を持った職員や居合わせた市民から拍手で歓迎され、花束や母校の妙高高原中生徒が書いた横断幕が手渡された。

横断幕を手にする(右から)城戸市長、曽根原さん、清水選手、久之さん

城戸市長は「“スキーの妙高”からメダリストが出るのは長年の悲願で、スキー界の歴史が変わった日だったと思う。お疲れ様でした」とねぎらい、今後ジュニア選手への指導など後進育成に協力を呼び掛けた。

競技人生の思い出など明るく語った

清水選手は「苦しい時期が長かったが、良くない時にも応援してもらい、市民や県民の方々には本当の意味で背中を押していただいた」と感謝し、「本当の引退は妙高のジャンプ台(妙高高原赤倉シャンツェ)を飛んで、ふるさとの景色を見て終わりたいという思いがある。地元の方や家族に見守ってもらいながら飛びたい」と笑顔で語った。

銅メダルを披露するなど市民とも交流した

4月からは雪印メグミルクで営業職を務め、競技からは離れるが、「指導には興味があり、いつか携わってみたいと思っていたので、(妙高市で)そういう機会があればできる限り協力したい」。また「スキーは生涯スポーツ。国スポなどで飛びたいという思いはあり、その時が来れば現役と同じようにしっかりと準備したい」と話した。