上越市板倉区の「ゑしんの里観光公社」解散へ 地元「板倉まちづくり振興会」が事業承継

新潟県上越市板倉区の観光拠点施設「ゑしんの里記念館」(同区米増)や光ヶ原高原キャンプ場の管理運営を行っている一般財団法人「ゑしんの里観光公社」(同)が2024年3月末で解散する。1989年に旧板倉町が設立し同区の観光振興を担ってきたが、人材の減少や区内の他組織との事業の重複などがあり、NPO法人板倉まちづくり振興会(同区針)に事業承継して組織を一本化し、同区の観光と地域振興を進めていくという。

ゑしんの里観光公社の事務所がある板倉区米増の「ゑしんの里記念館」

同公社は、光ヶ原高原を中心に同区の観光資源の連携や掘り起こしなどを目的に旧板倉町の出えんなどで設立された。基本財産2000万円のうち上越市が85%を出えんしている。

親鸞聖人の妻、恵信尼の資料展示やホール、観光情報コーナーなどがあるゑしんの里記念館の管理運営や光ヶ原高原キャンプ場の運営実務、そば打ち体験交流施設「いたくら亭」(同区針)の経営、信越トレイルなど区内の観光情報の発信などを行ってきた。

市によると、近年効率的で効果的な組織再編が課題になり、2021年度から市も交えながらまちづくり振興会と統合について検討していた。それぞれの組織形態が異なり合併ができないため、同公社が解散し、まちづくり振興会が全事業を引き継ぐことで合意した。

そば打ち体験交流施設「いたくら亭」(同区針)の経営もまちづくり振興会が引き継ぐ

まちづくり振興会は町内会長が代議員になるなど区内全域の組織で、板倉ふれあいまつりや敬老会の開催、保育園通園バス運行といった地域づくり事業や住民サービス事業を展開している。

1月23日に開かれた市議会文教経済常任委員会で報告した古澤堅吾板倉区総合事務所長は「区内に観光振興と地域振興の組織が分散しており、豊かな自然と地域の宝を次の世代につなげていくために、一つになって地域を巻き込んでいく」と説明した。

人口減少が進む中、高齢化や人材不足、事業の重複などで、長年地域振興や観光振興を担ってきた団体の継続が困難になってきている。2023年3月には、雪を逆手に取った町おこしで地域をけん引してきた安塚区の公益財団法人「雪だるま財団」が解散し、事業を区内外の他団体が引き継いだ。

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