上越市安塚区の「雪だるま財団」解散へ 豪雪を逆手に取った町おこしけん引

全国有数の豪雪地、新潟県上越市安塚区で雪を生かした町づくりや雪エネルギーの調査・研究・普及活動などを行ってきた公益財団法人「雪だるま財団」(同区安塚)が、2023年3月末で解散する。旧安塚町が1990年に設立し、やっかいもの扱いされる雪を逆手に取った町おこしで地域をけん引してきたが、コロナ禍で県外小中学生の体験事業が激減するなど事業収入の減少が続いていた。

雪だるま財団のホームページ

同財団は「雪国文化村構想」を掲げた旧安塚町の出えんなどで設立され、現在、基本財産約1億5000万円は上越市の100%出えんとなっている。

公益事業として、雪室や雪冷房などの雪エネルギーの調査・研究・普及活動や、県内外の小中学生が雪国や田舎の暮らしを宿泊体験する越後田舎体験事業の受け入れと事務局、同区和田の雪室の管理運営、雪室を使った事業者による特産品開発の「雪室推進プロジェクト」の事務局などを行ってきた。

しかし、雪エネルギーに精通した専門職員の退職で調査・研究活動が困難となったほか、コロナ禍で越後田舎体験事業の受け入れが激減した影響で、近年は収入減が続いていた。

小林美佐子理事長は「安塚区の人口が減少する中、組織や施設は複数あるが、どこも人的に厳しい。区内の団体をまとめ、立て直しを図りたいとの考えもあり、1年ほど前から関係者と協議していた」と話した。

越後田舎体験や雪室推進プロジェクトなどの同財団が担ってきた事業は、区内や市内の団体が引き継ぐ予定で、2023年2月上旬に発表する。財団の約30年の歩みを振り返る会も開催する予定という。

▽雪だるま財団ホームページ http://www.yukidaruma.or.jp/