雪の恵みでまろやかに 「かんずり」用トウガラシの雪さらし始まる 妙高市のスキー場で

一年で最も寒い時期とされる大寒の2024年1月20日、新潟県妙高市特産の辛味調味料「かんずり」に使われるトウガラシの雪さらし作業が始まった。同市の池の平温泉アルペンブリックスキー場で行われ、スキー客も参加して真っ白なゲレンデに赤いトウガラシをまいていった。

トウガラシをゲレンデの雪の上にまく従業員ら

かんずりは上越地方の伝統的な調味料で、同市西条の「かんずり」(東條昭人社長)が商標登録をして製造販売している。

雪さらしは、塩漬けにしたトウガラシを雪の上に数日間さらすことで、あくや余分な塩分を取り除き、まろやかで爽やかな辛さに仕上げる重要な仕込み作業。同社では毎年大寒の日から始め、アマチュアカメラマンらが訪れるなど冬の風物詩となっている。

長さ20cmほどの大ぶりのトウガラシ

今年は少雪が見込まれたため、昨年に続き、会社付近ではなく同スキー場で行った。長さ20cmほどの大ぶりのトウガラシ600kgを用意し、従業員ら4人がザルを手にまき、鮮やかな赤色が雪上に散っていった。

東條社長は「今年も猛暑でトウガラシの成長が一時止まったが、雨が降り秋口には戻ったので量は少なめだが質はいい」と話し、今年は6トンのトウガラシを仕込むという。雪さらし後は、こうじやユズ、塩を加えて3年間熟成、発酵させて商品となる。

スキー客も雪さらし作業を体験

この日は土曜だったこともあり、外国人らスキー客も次々に訪れ作業を体験した。家族と参加した妙高市立妙高高原小5年の女子児童(10)は「トウガラシが思っていたよりも大きくて、投げるのは大変だと思った。かんずりは辛いけれど塩味があっておいしい」と話していた。

今後、雪さらし作業は2月末まで会社付近などで行う。見学も可能で、詳細は同社ホームページで発信する。問い合わせは同社 0255-72-3813

長さ20mほどの赤い列が出来た

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