上越市の市道に20年ぶり加温式消雪パイプ新設 高田城址公園外堀の水を利用 

新潟県上越市南城町3の市道に今冬、河川水などをボイラーで加温して道路に散水することで雪を解かす「加温式消雪パイプ」が新設された。近くの高田城址公園の外堀の水を利用したもので、加温式消雪パイプの新設は同市では約20年ぶり。

加温式消雪パイプが新設されたのは南城町3を通って上越大通りと市道中田原高田城址公園線を結ぶ市道高校前北通線などで、延長843m。

上越市南城町3の市道に新設された加温式消雪パイプ

通常の消雪パイプは地下水を利用することで地盤沈下を引き起こすため、市街地の大部分が県条例の揚水規制区域になっており、新たな消雪パイプ用の井戸を新設することが困難な状況にある。このため同市は2000〜2003年度に国の補助金を活用したモデル事業として、地下水を使わない加温式消雪パイプの新設整備を行ったが、地下水式に比べて整備費と維持費が多額になることから、長年新たな整備を休止していた。

2019年度に策定した市消融雪施設整備計画(計画期間2020〜2024年度)には、調査業務委託で高田城址公園の外堀を水源に加温式消雪パイプの新設が可能との結果が得られ、財政計画との整合が図れたとして、必要性や実現性、費用対効果の観点で最も評価が高かった南城町3の1か所のみが登載されていた。

加温式消雪パイプで融雪された路面

同市雪対策室によると、2020年度から取水口の改修などに着手し、昨冬に一部区間で供用開始。今冬前に全区間が完成した。側溝の改良工事なども含め、総事業費は約1億2000万円。同路線の完成で市内の加温式消雪パイプの総延長は約6kmとなった。

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