新潟県上越市は2024年1月3日、能登半島地震の第3回地震災害対策本部会議を開き、市内の被害状況を確認した。新たに重傷者1人や約200件の建物被害などが確認された。
転倒で1人骨折、住宅被害92件増
3日午前11時時点の集計によると、新たな人的被害として、同市柿崎区の80代女性が避難時に自宅の階段から転落し、尾てい骨を折る重傷を負った。避難所で痛みが増し、骨折が判明したという。これで市内の人的被害は重傷1人、軽傷5人となった。
建物被害では、屋根瓦の破損や壁面損壊など、住宅の一部損壊が昨日から92件増えて計103件に、公共施設で天井損壊など一部損壊が計54件に増加。非住宅25件、文教施設59件、その他施設13件と、建物被害は昨日から194件増の計254件に上った。
また、春日山城跡の天守台では、地面に長さ約5mと約8mの亀裂2本が確認された。幅はいずれも数cmで、水が入らないよう処置をし、春先まで天守台への立ち入りを禁止する。
国道8号の土砂崩れは復旧作業開始
上越警察署によると、同市茶屋ヶ原の国道8号での土砂崩れは、3日午前8時過ぎから土砂の撤去作業を開始した。木を取り除く作業から進めており、同日午後2時時点では大規模な土砂の搬出には至っていない。路上の土砂は約1万立方m、ダンプ約2500台分におよぶため、復旧には時間がかかる見込み。国道8号の通行止め範囲は2日に直江津側が縮小され、茶屋ヶ原駐車帯〜名立谷浜IC入り口交差点の約3kmとなった。
市によると、市道の道路被害は路面亀裂や法面等崩壊など56件増加し計66件となり、通行止めは5か所あるが全て迂回路がある。このうち、なおえつ海水浴場の海の家などが津波で流され道がふさがれた五智居多ヶ浜シーサイドラインは、4日から復旧作業を始める予定。
新年祝賀会など中止
同市は地震災害対応や余震が続いているとして、4日に開催予定だった新年祝賀会と、7日に予定していた市消防団出初式を中止する。
ごみ収集は通常通り実施「一度に出さず別日に分けて」
家庭ごみの収集は4日から通常通り実施する。地震被害によりごみが多くなることが予想されるため、市では処理が間に合うよう、なるべく少しずつ日を分けて出すよう協力を呼び掛けている。
また、地震により発生した瓦やブロック塀、たたみなど、処理の難しい大きい災害ごみについて、5日からクリーンセンター(東中島)入り口付近に仮置場を設置する。このほか被災者支援として、燃やせる災害ごみはクリーンセンター、燃やせない災害ごみはWastec ENERGY(三ツ屋町)、上越マテリアル(下名柄)、飛田テック(中箱井)に直接持ち込んだ場合、処分費用を減免する。
り災証明書や各種支援の申請手続きなど、市民からの地震被害に関する相談は、対策本部でワンストップで対応する。問い合わせは上越市役所地震災害対策本部 025-526-5111 。