妙高市出身の長谷川成人さんノーベル賞受賞ならず 市役所で市長ら見守る

ノーベル生理学・医学賞が2023年10月2日発表され、有力候補に挙げられる新潟県妙高市出身で東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野長、長谷川成人さん(62)の受賞はならなかった。妙高市役所では、城戸陽二市長や職員約30人が中継を見守った。

発表を見守る城戸市長と職員

神経病理生化学が専門の長谷川さんは、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」などの発症に関わるタンパク質を発見し、2006年に論文を発表した。昨年、米情報会社に論文の引用回数などから、将来ノーベル賞を受賞する可能性が高い研究者の一人に選ばれた。

昨年に引き続き、妙高市役所では城戸市長や西澤澄男副市長、塚田賢教育長をはじめ、職員が会議室に集まり、発表を見守った。城戸市長は「今年受賞を逃したからといって、先生の研究が色褪せることはない。残念だけれども、市としては毎年見守って、市民とともに喜びを分かち合えればうれしい」と述べた。

新井中学校の同級生で地域共生課の平出武副参事(63)は「研究で協力してもらった患者さんや家族の方のためにも、病気を治すための核心になる部分を見極めたいと話していた。疑問に思っていることに向かって一生懸命歩いていく人だから、受賞するしないにかかわらず、明日からもまた歩いていくと思う」。同じく新井中と高田北城高校の同級生で建設課の渡部雅一副参事(62)は「(学生時代は)物静かで努力家だった。残念だけれど、まだまだ本人もやるつもりだろうし、来年も楽しみ」と話していた。

長谷川成人さん

長谷川さんは1961年妙高市十日市生まれで、斐太北小学校、新井中学校、高田北城高校、1984年富山大学理学部を卒業し、1986年に筑波大学大学院修士課程修了した。大手生活用品メーカーに勤務後、東京大学医学部、イギリスのMRC分子生物学研究所などを経て、2001年に東京都精神医学総合研究所(現都医学研)分子神経生物部門長に就任。2020年より現職を務めている。

今年のノーベル生理学・医学賞は、新型コロナウイルスの「mRNAワクチン」開発に貢献したいずれも米ペンシルベニア大のカタリン・カリコ特任教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64)が受賞した。

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