上越市立小で給食アレルギー事故 乳製品食べた児童救急搬送 学校が確認怠る

上越市教育委員会は2023年9月6日、市立小学校の児童が5日に給食を食べアレルギー症状を発症し、救急搬送され入院したと発表した。児童は「乳・乳製品」のアレルギーがあり、除去対応がとられていたが、学校側の原材料の確認が不十分だった。児童は体調が回復し、6日午前に退院した。

記者会見で謝罪する市川教育部長(中央)ら市教委幹部

原因となったのはこの日のメニューに出た加工品で、乳製品が原材料の一部として入っていた。市教委によると、児童は5日午後0時15分頃から給食を食べ始め、約15分後に皮膚の赤み、かゆみ、呼吸の苦しさなどの症状を訴えた。教職員がアナフィラキシー症状を抑える「エピペン」を注射し、児童は救急車で県立中央病院に搬送された。

市教委のアレルギー対応マニュアルでは加工品について毎回配合成分表を確認することになっていたが、栄養教職員は確認を怠っていた。別の学校に勤務していた際の経験から今回原因となった加工品に乳製品は含まれていないと思い込んでいたという。また、調理員は食材納入時の加工品の原材料確認を行ったとしているが、乳製品の記載を見落としていたという。

同市では2018年8月に給食誤配食によるアレルギー事故があり対応マニュアルを見直したが、その後もマニュアルに沿った対応がなされず同じ生徒に対し2022年5月に誤配食事故を起こしている。

記者会見した市川均教育部長は「あってはならない事故で、深くおわびする。徹底的に検証し再発防止に努める」と話した。