小学校の給食でアレルギー事故 上越市教育委が本年度中にマニュアル見直し 公表基準も検討

新潟県上越市の小学校で昨年度、給食の誤配食によるアレルギー事故が起きていたことが、分かった。市教委は食物アレルギー対応の指針(マニュアル)を本年度中に改定し、これまで定めていなかった事故の公表基準を検討するとしている。

2019年9月20日の市議会本会議で、牧田正樹議員の一般質問に野澤朗教育長が答えた。

事故は昨年8月に市内の小学校で起きた。保護者は医師作成の「管理指導表」を学校側に提出していたにもかかわらず、学校側は児童にアレルギーの原因物質となるチーズの入ったミートソースをいわゆる「お代わり」のような形で食べさせた。児童の全身にじんましんが出たが、幸い命に別条はなかった。

市教委は、こうしたアレルギー事故について公表基準を定めていないが、同じ給食でも異物混入については健康被害の有無にかかわらず公表すると決めている。アレルギー事故の公表基準について野澤教育長は「個人の体質によるデリケートな問題もあるので慎重に検討する」と答えた。

市教委によると、代替食などアレルギー対応をしている児童生徒は、小学校50校中40校に191人、中学校22校中18校に92人。合計283人おり、全児童生徒1万3784人の約2.1%に当たる。市はかゆみやじんましんなど何らかの症状があったケースを「事故」と定義しており、昨年度までの3年間で16件あった。このうちミートソースの誤配食以外の15件は医師の事前の診療がないケースだったという。

2012年に東京都調布市の小学校で、お代わりでチーズ入りチヂミを食べた児童が亡くなった事故を受け、上越市教委は2014年3月に対応マニュアルを作成。その後、国や県のマニュアルも改定されていることなどから柳澤祐人教育部長は「年度内に見直しを完成させ、関係者で共有していく」と述べた。