同じ生徒にアレルギー事故 上越市教委 独自判断で非公表に

上越市教育委員会は市立中学校の給食の誤配食によるアレルギー事故が今年5月に起きていたと発表した。給食を食べた生徒は、小学生のときにも学校の不注意で同様の事故に遭っていた。市教委は同じ生徒に再度誤配食したことについて、生徒本人と保護者が公表に同意していたにもかかわらず、公表していなかった。

市教委によると、担任ではない教員が、アレルギー食材が付着した可能性のある副菜を「おかわり」としてこの生徒に配った。市教委のアレルギー対応マニュアルによると、こうした生徒への「おかわり」は禁止されている。生徒は皿を手で覆い、拒否したが、教員は隙間から配食したという。食後、担任に相談し発覚した。

また、誤食が疑われる場合の経過観察や投薬などを指示した医師による指導管理票が事前に学校に伝えられ、薬も保健室に保管されていたが、学校側はいずれの対応もしなかった。生徒が帰宅後に自宅で薬を飲み、アレルギー症状は出なかった。

生徒が小学生だった2018年8月にも、アレルギー食材を給食で配食され、全身にじんましんが出た。この事故を機に市教委ではアレルギー対応マニュアルを見直した経緯がある。

7月29日、記者会見した市教委の牧井創学校教育課長は「保護者から個人情報や学校名など以外は公表していいという同意を得ていたが、私の判断で公表しなかった」と話した。

今回の事故では、複数の教員が関与したにもかかわらずマニュアルに沿った対応がなされていなかったことから、市教委では今後、全ての市立小中学校に対して聞き取り調査を行うなどして実態把握するとしている。

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