上越産米の初検査 1等米比率は平年並みの6割 一部猛暑の影響も

JAえちご上越は2023年8月24日、新潟県上越市長面の長面検査場所で、本年度産米の初検査を行った。この日対象となった早生品種「つきあかり」約18tの1等米比率は61.1%と、ほぼ平年並みだったが、猛暑で粒が痩せるなどの影響も見られた。

長面検査場所で行われた本年度産米の初検査

上越産のつきあかりは、関東圏で早場米としての需要があり、2年前から8月中に検査、出荷している。初検査では、市内の平野部で栽培する出荷生産者1人のつきあかりを検査した。

同JA職員で県農産物検査協会検査員の3人が、米の粒の大きさや水分量、色、ひび割れの有無、虫の被害などを調べた。

粒の大きさや色など一粒一粒確認した

結果は約6割が1等、残りは2等だった。つきあかりは1等米が出にくい品種のため、比率は平年並みだが、粒の張りや厚さはやや痩せている米があり、基部未熟や背白、腹白の未熟粒が見られたことが格下げの要因となった。米に亀裂が入る胴割れも散見されたが、基準に収まる範囲だった。

同JAの岩崎健二常務理事によると、品質には出穂後から登熟期の気温が高かったことが影響しているという。「異常気象で不安もあったが、品種的に比率は平年並みで少し安堵(あんど)している。まだ猛暑が続くので、胴割れなどの被害を出さないよう、適期刈り取りなど生産者と一丸で取り組んで、消費者においしい米を届けたい」と話した。猛暑のほか、早生品種よりも渇水の影響が懸念されるコシヒカリなどについては「減収ややっととれた米も品質が心配される厳しい状況」と不安をのぞかせた。

検査を終えた米はトラックに積まれ首都圏に出荷された

検査を終えたつきあかりはすぐに出荷され、週末には首都圏のスーパーなどに並ぶという。

管内の作付け状況は約1万970haで、検査数量は約73万2500俵を予定している。コシヒカリの検査は、9月上旬から始まる見込み。