上越市の中川市長が牧区で渇水被害を視察 早急な対策で最大限に支援 

猛暑による連日の異常高温や、梅雨明け以降、ほとんど雨が降らない新潟県上越市では、田んぼの渇水で稲が枯死するなど、一部で農作物の被害が確認されている。2023年8月16日、中川幹太市長が同市牧区の坪山集落を訪れ、田や稲、ため池の状態を確認したほか、農家から現状を聞いた。

中川さん(左)から説明を受ける中川市長(中央)と空部長

中川市長は空周一農林水産部長とともに農家中川卓夫さん(82)を訪問。中川さんは長男とともに区内で米とソバを栽培しており、米は12haの天水田でコシヒカリや新之助など4品種を育てる。中川市長は中川さんの案内で現地へ向かい、渇水でひびの割れた田んぼをはじめ、降雨がないために通常よりも水量が激減したため池などを視察した。

渇水でひび割れした中川さんの田んぼ

市は現在、渇水、高温対策とし、農作物などの被害軽減の緊急支援で、消雪用井戸の開放やかん水用機械などの借り入れ、購入経費の支援や燃料費の助成などを実施。中川市長は現地での被害状況を確認後、「今、燃料の援助などをしているがさらなる援助が必要になってくる可能性もある。担当課と相談し、支援できることは最大限にやっていきたい。ひび割れの状況を見ると早急な対策が必要。対応をすぐに考え、皆さんにお知らせしたい」と述べた。

 

通常は水深が2mあるため池。現在は50〜60cmと水量が激減

中川さんは「(梅雨明け後は)雨がほとんどない。部分的に稲が枯れている田んぼは5、6町歩ある。米づくりを60年やっているが、水がないというのは中山間地にとって一番きつい自然災害」と話したほか、このまま水が足りない状況が続くと、「胴割れ」などが原因で米の等級が下がることを懸念。「大きな赤字になり、収入が3分の1に減ってしまう。借金をしないと来春の作付けは無理」と危機感を募らせた。市がかん水用機械の補助事業を実施する以前に、中川さんは渇水を見込み、7月、新たにポンプを購入した。「すでに自分で買って対策をしていたが、(自分は)今回の補助対象にはならない」とも口にした。

現場をスマートフォンで撮影する中川市長

中川市長の視察については、「ありがたい。本当にうれしかった。願いも聞いてもらえ、力を尽くしてくださると思う」と期待を寄せた。

JAえちご上越が独自に緊急対策

また、JAえちご上越は8月16日、渇水緊急対策として農作物のかん水用機械の燃料費助成を発表した。17日から受け付ける。
https://www.ja-echigojoetsu.or.jp/news/1991/

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