無病息災願う茅の輪くぐり 上越市本町1春日神社で初開催 和菓子店では「水無月」販売 

新潟県上越市本町1の春日神社(大島美香宮司)に2023年6月17日、けがれをはらい1年の残り半年の無病息災を願ってくぐる「茅(ち)の輪」が今年初お目見えした。30日に行われる「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」の神事に向けて設置したもので、24日には参道にもう1基設置される。

完成したばかりの茅の輪をくぐる製作者ら

夏越の大祓は半年の間、知らず知らずのうちに身についたさまざまな罪やけがれをはらい清める神事で、カヤで作った茅の輪をくぐると心身が清められ、厄がはらわれるとされている。同神社ではこれまで茅の輪は設置していなかったが、神社総代から設置したいという声があり、2年前から設置している陀羅尼八幡神社(同市北本町2)の協力で、今年初めて設置した。

作業には同神社と陀羅尼八幡神社の総代をはじめ、北城神明宮(同市北城町1)の茅の輪を長年製作しているみこし愛好会の「越後神鈴會」や「越後春日會」の有志など約10人が参加。市内朝日の春日神社所有地でカヤの葉を刈り取った後、芯にカヤの葉を重ね直径約2mの輪を作り、青竹を組んで設置した=写真=。

完成後は、参加者の1人が「水無月の 夏越の祓する人は 千歳(ちとせ)の命 延ぶと云うなり」という和歌を唱える中、全員で8の字を描きながら3度くぐった後、拝殿に進んで参拝した。

大島宮司(41)は「皆様の協力で設置することができた。陀羅尼八幡神社と北城神明宮(29日設置)の茅の輪もくぐり、高田の神社を巡っていただければ」と話した。夏越の大祓の神事は30日午後6時からで、茅の輪の設置は7月8日まで。

6月24日には参道にもう1基の茅の輪を設置予定

6月25日イベント開催

茅の輪の初設置に合わせ、25日午前10時から午後3時までイベント(春日神社愛好会主催)が開催される。茅の輪のくぐり方アドバイスが午前10時からと午後1時から、午前11時からは紙芝居の上演、午後2時からは尺八としの笛の演奏などがある。綿あめや神酒の振る舞いのほか、茅の輪をかたどった「茅の輪守り」も無料頒布する(先着順、なくなり次第終了)。問い合わせは同神社025-523-5657

イベントのちらし

神社裏の御菓子司相川で「水無月」販売

神社裏手にある創業約180年、江戸末期から続く和菓子店「御菓子司相川」(仲町1)は、夏越の祓に合わせて食べる生菓子「水無月」を販売している。

7代目店主の相川郁子さん(58)が、季節の和菓子が少ない6月に合った菓子をと、2017年から作り始めた。発祥の地、京都では6月30日の夏越の祓に食べられるが、同店では1日に製造できる量が限られているため毎年6月に入ると店頭に並べている。

御菓子司相川の「水無月」

旧暦の6月の呼び名がそのまま菓子名となった水無月は、米粉や葛を合わせたういろう生地の上に甘く煮た小豆をのせ蒸した生菓子。同店のういろう生地は本葛を使い、もちもちとした食感と食べ応えのある厚さが特徴だ。三角形の形は、平安時代の宮中で暑気払いとして食べられていた氷を手に入れられない庶民が、形を似せたものとされる。小豆の赤は厄除けの意味があるという。

相川さんは「もともと地元にあったお菓子ではないけれど、日本の一つの風習、文化として味わっていただければ」と話している。

春日神社の境内を抜けると目の前にある御菓子司相川(仲町1)

1個180円。1日当たりの販売数に限りがある。営業時間は午前9時から午後6時まで(日曜と祝日は午後5時まで)。月曜、第2日曜定休。25日の春日神社のイベントでは境内でも販売する(数量限定)。水無月の販売は30日まで。


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