映画雑誌「キネマ旬報」が主催する2016年のベストテンで、邦画1位を獲得した話題のアニメ映画「この世界の片隅に」が、新潟県上越市本町6の高田世界館で2017年2月18日から再上映されることが決まった。また、同市富岡のシネコン、J-MAXシアターでも2月4日から上映する。同市内にある2館が同じ映画を上映するのは極めて珍しい。
キネマ旬報のベストテンで、アニメが1位となるのは1988年の「となりのトトロ」以来2度目。ほかに毎日映画コンクール日本映画優秀賞、ブルーリボン賞作品賞、日本アカデミー賞優秀アニメ作品賞など、高い評価を得ている。昨年11月から全国63館の小規模で公開されたが、興業ランキングで11週連続ベストテン入りを果たすなど、人気は急上昇。現在の上映館数は198館まで拡大し、興業収入も15億円を突破した。
「この世界の片隅に」は、第二次世界大戦中の広島県呉市を舞台に、前向きさを失わず、自然体で生きた主人公「すず」とその家族を描いた作品。すずの声を女優・のんさんが演じたことも話題になった。
高田世界館では昨年12月24日から今年1月15日まで上映。多い日は1回の上映で100人以上が入るほどの人気を集めた。若い世代から年配の人まで、幅広い客層から支持された。映画の時代背景にふさわしいレトロな映画館でこの映画を見る“聖地巡礼”のファンも多く、東京や関西などから多くの人が訪れ、Twitterなどに感想を残している。1月10日には全国からアクセスが殺到し、同館のホームページが一時ダウンするほどだった。
上野迪音支配人は「上映が年末年始にあたっていたため、見逃したという人も多く、再上映を決めた」と話す。
J-MAXシアターでは2月4日からの上映を決めた。快適な環境で見たい人はJ-MAXで、映画と同じレトロな雰囲気に浸りたい人は高田世界館で見るなど、映画ファンにとって選択の幅が広がった。
◇高田世界館公式サイト http://takadasekaikan.com/
◇J-MAXシアター公式サイト http://www.j-max.jp/