八坂神社の屋根張り替え工事完了 青緑色のチタン製に

新潟県上越市西本町4の八坂神社(岩片稔彦宮司)で行われていた社殿屋根の改修工事がこのほど完了し、チタン製の青緑色の屋根が輝く美しい姿に生まれ変わった。2020年11月8日夜には遷座祭が執り行われ、集まった地元住民らに見守られる中、ご神体が本殿に戻された。

屋根の改修工事を終えた八坂神社(2020年11月5日撮影)
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1028年創建とされる同神社は、祇園祭の「お饌米奉納」などが行われることで知られている。現在の本殿は享保時代、拝殿は天保時代に再建され、その後修理が重ねられてきた。

改修前の銅板の屋根は、1986年にふき替えられてから30年以上が経過し、近年は雨漏りに悩まされ、表面も黒ずんでいた。氏子らでつくる「八坂神社社殿改修奉賛会」が昨年2月から改修費用の寄付を募り、約1年で地元住民や企業などから目標額の8000万円が集まった。工事は今年2月から始まり、予定より約1か月早く、10月20日に完了した。

今回張り替えられた社殿屋根の面積は、約512平方m。潮風による塩害に強く、軽量で社殿への負荷も軽減されるチタン建材を採用。色は銅板屋根時代の緑青ろくしょうと呼ばれる錆の色に寄せ、青緑色とした。奉賛会の中澤武志会長(76)は「チタンは100年持つと言われているので、長持ちしてほしい。光沢が銅とは違い、奇麗に出来上がったので、ぜひ昼間に見に来ていただきたい」と語った。

8日の遷座祭では、工事期間中にご神体が移されていた境内の秋葉神社から、白布に覆われたご神体が本殿へと戻された。その後、社殿内で奉賛会のメンバーが玉串を捧げた。遷座祭を見守っていた西本町4の女性(71)は「(ご神体が)ようやく本殿に戻られたので、これからも町内を見守ってほしい」と話していた。

白布で覆ったご神体を本殿に運ぶ神職ら(2020年11月8日午後6時30分頃)
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岩片宮司(41)は「本当にたくさんの方にご支援いただき感謝しかない。奇麗になった屋根の社殿を守りながら、より一層直江津の町が盛り上げっていけば」と語った。

追加修繕として、南北の階段の工事も予定しており、奉賛会では来年3月まで寄付を募っている。