新潟県上越市木田3の一印上越魚市場(尾崎徹社長)で2020年12月27日、年末恒例のサメの競りが行われた。サメは古くから上越地方の正月料理に使われており、競り人の威勢の良い声が響く中、地元スーパーや鮮魚店の担当者が次々と競り落とした。
尾崎社長(62)によると、上越地方では正月料理の煮付けや煮こごりなどでサメを食べる習慣が江戸時代から根付いている。
同市場では毎年12月27日にモウカザメの競りを開催。今年は宮城県気仙沼港で24〜25日に水揚げされた重さ約50〜95kgの23匹が競りにかけられた。サメは頭や腹など五つに切られ、氷の上に並べられた。尾崎社長によると、鮮度も抜群だ。
27日午前7時、鐘の合図で競りが始まった。買い手がサメを取り囲み、競り人の威勢の良い掛け声に応じて次々と値段を示して競り合い、わずか10分ほどで完売した。
尾崎社長は「サメは食べやすく、低カロリーで高タンパク。若い世代が食べなくなってきているが、最近はフライやかまぼこにもなっているのでぜひ食べてもらい、江戸時代から続く習慣を継承してほしい」と話していた。
競り落とされたサメは、同日夕方には市内のスーパーなどに並ぶ。