中国で開催中の北京五輪で2022年2月10日に行われたスノーボード女子ハーフパイプ決勝に、新潟県妙高市出身の冨田せな選手(22、チームアルビレックス新潟)、るき選手(20、チームJWSC)姉妹が出場し、せな選手が銅メダル獲得、るき選手は5位入賞を果たした。せな選手の母校で、るき選手が在学する同市原通の全日本ウィンタースポーツ専門学校では、2人の両親や学校関係者らが生中継を観戦し、同種目日本勢初のメダリスト誕生に歓喜した。
スノーボードハーフパイプは、半円筒状の雪上コースを滑り、エア(ジャンプ)の高さや技の難易度などで得点を競う競技。せな選手は平昌五輪に続き2大会連続、るき選手は初出場となった。22人が出場した9日の予選では、両選手とも高いエアと安定した滑りを見せ、せな選手が5位、るき選手が6位となり、決勝進出を決めた。
応援観戦は同校が2人の活躍を後押ししようと企画し、決勝のこの日は両親をはじめ、同校の学生や職員ら約20人が参加。姉妹の名前が書かれた手作りのうちわなどを持ち、緊張の面持ちで競技開始を待った。
決勝は予選を勝ち上がった12人が3回滑走し、最高得点で争う。せな選手は1回目から空中で横に3回転する大技「フロントサイド1080」を決め、86.00点で2位をマーク。2回目も同じ演技構成で挑み、さらにエアの高さを出して88.25点まで点数を伸ばして3位となり、その後メダルが確定すると、会場は「よし」「よくやった」などの喜びの声や大きな拍手で包まれた。
るき選手は1、2回目とも転倒したものの、3回目で80.50点を挙げ、5位に入賞した。
父親の達也さん(45)は競技終了後、「自分たちがやりたいことを出し切って、2人らしい滑りができて良かった」と安堵の表情を浮かべ、せな選手については「自分の娘がメダリストとはピンとこないが、日本の代表としてメダルを獲ってくれてうれしい」と話した。
母親の美里さん(45)は「攻めた滑りができて、けがもなく良かった。『おめでとう。お疲れさま』と声をかけてあげたい」と目に涙を浮かべて話した。
また冨田姉妹の活躍を受け、同市の入村明市長は「ご本人の素質とたゆまぬ努力、そして、ご両親をはじめ、関係者の皆様の大きな支えが実を結んだ結果だと思います。妙高市民、そして国民の皆様に多くの感動を与え、元気をいただきました」とコメントを発表し、祝福した。