一般公開が始まった東京・上野動物園のパンダ、シャンシャンに似ている? 新潟県上越市南高田町の小竹製菓が製造している「笹だんごパン」のパッケージに描かれるパンダが「かわいい」「キュート」などとSNSに多数投稿されている。モチモチした食感からリピーターが多く、最近は売り切れになることも多いという。
首都圏でも人気呼ぶ
Instagramで #笹だんごパン、#笹団子パン を検索すると600件近い画像が共有されている。Twitterでの投稿も多い。今年9月から、JR上野駅、東京駅、秋葉原駅での販売が始まり、県外からの投稿も目立つ。
10年前の誕生秘話
笹だんごパンは、今から10年前に誕生した。アイデアを出したのは同店で笹だんごを担当しているベテランスタッフの藤沢ミチ子さん。笹だんごは同店の主力商品だったが、「笹をむくのが面倒」「手が汚れる」「ごみが出る」などの理由で若い世代から人気がないという。社内ミーティングの中で藤沢さんが「パンで笹だんごを包んだらどうか」と小竹孝雄社長に提案したのがきっかけとなった。
当初は見向きもされず
2か月ほど試作を行い、生地の配合や焼き方などを試行錯誤した。製造はヨモギ団子を蒸す作業から始まる。それをパン生地で包み、きな粉をかけて焼く手間がかかる工程だ。だが売れなかった。高田城百万人観桜会の露店で毎年販売したが、小竹加洋子店長は「誰も見向きもせず、“笹だんごパン”と言うだけで一笑にされた」と当時を振り返る。
パッケージにパンダ登場
小竹社長はその後も細かい味の改良を重ね、決してあきらめなかった。転機は2015年3月14日の北陸新幹線開業。この日に合わせ、パッケージをパンダのイラスト入りにリニューアルした。小竹店長は「女性をターゲットに、とにかく手に取ってもらいたかった」という。パッケージの袋をあえて細くし、パンダのぷっくりした体型に似せて立体感を出した。生地を薄くし、コシヒカリの米粉を入れてモチモチ感を出す工夫もした。
リニューアルで人気爆発
パッケージデザインのリニューアル以降「かわいい」と人気が急上昇。女子高生などがSNSで発信するようになった。一度食べてみると、パンのもっちりした食感と、ほどよい甘さの笹だんごのバランスが良く、きな粉の風味もいいことからリピーターが続出。2015年に上越市の「メイド・イン上越認証品」にもなり、手軽な土産品としても人気を集めている。
サンドパンに次ぐ商品に
今では1日平均600個を製造しており、主力のサンドパンに次ぐ人気商品に育ったが、「手作りなので、これ以上の製造はそろそろ限界」と話す。
同店では午前10時30分前後に焼きたてが店頭に並ぶ。上越市内では上越妙高駅でも購入できる。1個180円(税別)。営業時間は午前9時~午後6時30分。日曜定休。問い合わせは、同店025-524-7805。