新潟県上越市本町6の映画館、高田世界館前の広場に水を張り、水面に現れる“逆さ世界館”を撮影するイベント「鏡写世界」が、2020年9月19、20の両日に開催された。19日夜、訪れた家族連れらは幻想的な光景を前に、スマートフォンなどで撮影を楽しんでいた。
同館を運営する「NPO法人街なか映画館再生委員会」の岸田國昭代表(57)が発案した初開催のイベント。雨の日の濡れたアスファルトに、建物が反射する光景から着想を得たという。広場に板とビニールシートで9m×12mの囲いを設置し、水を貯めた。
19日、日没後の午後6時から同8時まで、同館の建物がライトアップされ、紫や赤などさまざまな色の光に照らされた。次々に人が訪れ、スマホや一眼レフで撮影に夢中になっていた。
夫と子ども2人と訪れた同市大町3の女性(38)は、スマホで撮影を楽しんだ。「水面の反射も奇麗に撮れた。十日町とかに比べて上越市はアートイベントが少ないので良いですね」と笑った。県外から映画を観に来たという60代女性は、「ただのライトアップではなく水に映すのはあまり見たことがない。すごく奇麗で趣があって良い」と語った。
両日の昼間には、ペットボトルで船を作り、水囲いで走らせるワークショップも開催された。参加した子どもたちは水囲いの中に入り、ずぶ濡れになりながら船を浮かべたり走り回ったりしていた。
岸田代表は「もうちょっと広く水を張りたかった」と悔しげに語り、「(新型コロナウイルスで)集客イベントができなかったが、また広場でフリーマーケットなどをやっていきたい」と話していた。