「税金で買わないで」上越市の国宝太刀購入に265人分の反対署名提出 採決は24日

戦国武将上杉謙信の愛刀で国宝の「太刀無銘一文字(号 山鳥毛)について税金で購入しないよう新潟県上越市議会に求める署名256人分が2017年3月22日、同市議会に提出された。署名活動をしてきたのは同市岩木在住のタイヤ販売店社長の今井孝さん(47)で、内山米六市議会議長に手渡した。約3億2000万円の太刀購入費用は新年度予算案に計上されており、3月24日の市議会3月定例会最終日に採決される予定。今井さんは「市民の声を背負い、悩みに悩んで採決の議場に向かっていただくことを切に願う」と議員に求めた。

24日の市議会での採決を前に内山議長に署名簿を提出する今井さん(22日)
今井さん署名簿提出

今井さんは今年1月から、インターネット署名サイトを利用して署名活動を開始。国宝の太刀について「寄付金が集まらなければ税金で購入しないと決断してください」と呼び掛け、有権者の50分の1に当たる3328人を目標にしてきた。

集まった署名は、上越市を中心に市内に縁のある人らが協力した。「安易に税金投入という市の方針は残念なものだった」「我々が納めた税金が使われ、自分の子供や次世代の人たちに負担をかけるということで断固反対」「全て有志の寄付で購入を」「確かに貴重かと思うが、税金はいささか行き過ぎな感じが否めない」など、税金投入に難色を示す意見が多く見られた。

今井さんはこの日、内山議長、宮崎政國副議長に署名簿を手渡し、「購入に賛成していても税金を使うことに反対する声も多い。税金で購入することに対して慎重になってもらいたい」と話した。これを受け、内山議長は今井さんに「熱意に感謝したいし、思いはしっかりと受けとめる」と述べた。

今井さんは「これまで声を出さなかった人たちが自分の名前を出し、声を上げてくれたことに感謝。市民意識も変わったのではないか」と話した。

太刀は国宝刀剣の中でも最高傑作の一つとされており、専門家による評価額は3億2000万円。市では官民一体で昨年10月から募金活動を行っている。

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